大塚食品が「ポカリ粉末」への異物混入を隠蔽、公益通報した社員を「常時監視状態の1人部屋」に軟禁して鬱病発症させる
大塚食品が「ポカリ粉末」への異物混入を隠蔽、公益通報した社員を「常時監視状態の1人部屋」に軟禁して鬱病発症させる
訴えを起こしたのは、大塚食品の滋賀県にある工場で品質管理を担当していた男性です。
訴えによりますと、2021年に滋賀県湖南市にある滋賀工場で、「エネルゲンパウダー」「ポカリスウェットパウダー」などの粉末の原料が入っていたポリ袋からほこりや樹脂片などが検出され、社内で調査したところ包装に使用してはいけない非食品用のポリ袋が使われていたことが判明したということです。
しかし、会社側は製品のリコールなど適切な対応をしなかったため、男性が滋賀県に公益通報したということです。
県は大塚食品の工場への立ち入り調査を行い、異物混入についての注意喚起や再発防止へ対策を講じるよう行政指導を行いましたが、工場内で問題の周知や再発防止が徹底されず、職員への処分などは行われなかったということです。
そのため、男性は2022年11月に問題の周知や適切な対応をしなかった責任者の処分などを求め代表取締役らに内部通報しましたが、その5か月後の23年4月に、別の部署への異動を命じられたということです。
男性は部署が1人しかいない部署に異動させられたり、監視カメラが自分の席へ向けられ管理職からの監視を受けるなどの「軟禁状態」での勤務や、社内システムへアクセスができなくなったりするなどしたということです。
その後、男性は去年8月にうつ病を発症したということです。男性は会社側に対し220万円の慰謝料など損害賠償を求め、13日に大津地裁に訴えを起こしました。
原告の男性「公益通報に対し報復せずしっかり守ってほしい」
13日に滋賀県内で開かれた会見で男性は「公益通報に対して報復をせず、しっかりと問題に向き合ってほしい」などと話しました。