【LGBTQ】男同士で愛し合うカップル、女の子の赤ちゃんを育てる
【LGBTQ】男同士で愛し合うカップル、女の子の赤ちゃんを育てる
出会いはさかのぼること8年ほど前。当時、ふたりとも看護師として働いていましたが、お互いが「同じ仕事をしているゲイの友人がほしい!」と、出会い系アプリに登録したといいます。
周囲に伝える/伝えていないという違いはありますが、ゲイであり、看護師であるという共通項で知り合ったふたり。食事をしたり、遊びに行ったりという友人関係が続きましたが、ほどなくして隼人さんから貴文さんに告白をして交際に発展。付き合い始めた半年後には同棲をスタートさせました。そして今度は貴文さんから隼人さんにプロポーズをしたといいます。
プロポーズをしたのは隼人さんの誕生日。貴文さんがレストランを予約し、食事を終えた後に運んできてもらったバースデーケーキのプレートに「結婚しよう」とメッセージを添えて。そんなサプライズでした。
同性カップルといっても、結婚を望むカップルもいれば、結婚を望まないカップルもいます。同じように、子供を望むか望まないかもカップルによって異なります。ふたりの場合、子供のことを考え始めたのは実は結婚式を挙げるよりもずっと前のことだったとか。
貴文「いつか自分も家族をつくりたいと考えていた、と言いましたが、イメージする家族像には子供の姿もあって。だから将来的に子供がほしいという考えに至るのは、自然なことだったと思います」
隼人「Instagramには、海外のGay fatherが子供との幸せそうな写真をよく載せているんです。これにはすごく衝撃を受けましたね。海外では子育てをするゲイカップルが普通にいる……そんな姿に、すごく希望をもてたことを覚えています」
共に子供がほしいと考えていることを確認し合ったふたりでしたが、ここは日本。ゲイカップルがどのようにすれば子供を授かることができるのか、当時はまったくといっていいほど情報はありませんでした。
貴文「里親制度についても調べたり勉強会に参加したりしたのですが、当時はいまよりもさらにハードルが高くて。海外で代理出産を行う方法も知られていましたが、トラブルが多かったり、そもそも費用がすごく高かったり。ゲイ同士で子供を授かることの難しさを痛感していたころでした」
そんなとき、ブログで「子供がほしい」と綴ったところ、数組の女性同士のカップルからメッセージが届きました。そこからお互いに協力をし合うことを模索し始めたといいます。
隼人「カップルによって考え方は違うので、丁寧に話し合いを重ねて、子供に対する考え方や子育てに対する考え方などが最も私たちに近い方と協力し合うことになったんです」
ゲイカップルだけど子供がほしい……結婚に対しては理解があった家族も、子供となるとまた違ったようです。
隼人「母からは『母親の愛情を知らない子供は可哀そう、絶対に不幸になる』と大反対されました。貴文のお母さんも最初は反対だったよね」
貴文「そうだね」
隼人「母の反対を受けて、『じゃあ、母親がいる子供はみんな幸せなの? そうじゃないよね。幸せかどうか決めるのは親じゃなくて子供だよ』などと大喧嘩になりました。最終的に母の言うことは気にせずに突き進むことにしたんです。でも子供が生まれたら、あんなに反対していた母も態度をコロリと変えて、いまでは、娘の一番のファンです(笑)」
昨年の6月、なーちゃんが誕生。3,000グラムを超える元気な女の子でした。「3ヵ月くらいまでは毎日手探りで、ちょっとしたことでも心配ばかりして大変だった」と振り返るふたりですが、最近は少し子育てにも余裕が出てきました。
隼人「初め、保育園に『親は男同士なんですけど……』と伝えたら『分かりました~』と、拍子抜けするくらいあっさりとした返事で。結婚式の会場を決めるときも、そう。会場のスタッフさんに『男同士なんですが……』と聞くと『なんの問題もないですよ』と温かく迎えてくれました。もちろん、心の中でどのように思っているかは分からないけど、私たちが思ってる以上に社会は寛容なのかもしれませんね」
しかし、ときに男親同士の子育てに、大きな壁を感じざるを得ないことがあります。まずは何といっても“法的な結びつき”。
貴文「娘と血のつながりがあるのは隼人。何もしなければ、法的には僕と娘は“赤の他人”です。その状態で隼人に何かあった場合、僕と娘は一緒に暮らせなくなる可能性がありました」
不測の事態が起きぬよう、なーちゃんの誕生前に、貴文さんと隼人さんは養子縁組をしました(抜粋)
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/d1633edbb80f8f774228aed95f099abd2b7d0a97&preview=auto