【レスキュー商法】「水のトラブル1000円〜」で修理頼んだら150万円請求された…元通りの生活に戻りたい心理を悪用
【レスキュー商法】「水のトラブル1000円〜」で修理頼んだら150万円請求された…元通りの生活に戻りたい心理を悪用
水道やトイレの故障、鍵の紛失――。
暮らしの緊急事態につけ込み、出張訪問業者らが高額な費用を請求する「レスキュー商法」の被害が後を絶たない。ネット広告で安価な修理費をうたいながら、作業を始めた後になって高額な費用を請求するなど、手口も巧妙化している。(森谷達也)
水回りの修理に関するレスキュー商法を巡り、地裁は今年1月、水道工事業者らに工事費全額の賠償を命じる全国初の判決を出した。
原告は府内などに住む男女14人。判決によると、2020年7月〜21年12月、いずれも「水のトラブル即解決1000円〜」などとうたうネット広告を見て、トイレの配管の詰まりや台所の水漏れなどの修理を業者に電話で依頼した。
業者は費用などを説明しないまま作業を進め、途中で「特別な機械が必要」などとし、10万〜165万円を請求していた。
トイレの修理を依頼した原告の1人は業者から「高圧機械を使う必要があり、60万円かかる」と言われ、金額に驚きつつも「トイレが修理できなければ生活できない」と承諾。
作業後にトイレや配管を交換したとして代金を上乗せした契約書を差し出され、計150万円を支払ってしまった。
「京都レスキュー商法被害対策弁護団」は今回の訴訟を含め、これまで計95件の相談を受け、うち33件で解決に至った。
弁護団の住田浩史弁護士(京都弁護士会)は「早く元通りの生活に戻したいという消費者心理を悪用し、作業後に請求して断れない状況に追い込む手口が多い」と指摘する。