【観察眼】“神薬”が“毒薬”に、岐路に立つ日本の製造業
【観察眼】“神薬”が“毒薬”に、岐路に立つ日本の製造業
【観察眼】“神薬”が“毒薬”に、岐路に立つ日本の製造業 | ニコニコニュース
日本メディアの報道によると、小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントを摂取したことが原因で腎臓の病気などを発症し、入院した人の数は4月4日時点でのべ196人に上った。また、同じ原因ですでに5人が死亡しているという。
この問題は、中国にも波紋を広げている。小林製薬の製品は、ECプラットフォームを中心に中国でも多く販売されているためだ。問題の発生を受けて、中国国内でも問題の商品を緊急に撤去され、返金対応が行われている。しかし、補償面では日本と差がある。小林製薬は、日本の消費者に対しては金券2500円の賠償を約束しているが、中国本土の消費者に対する賠償はまだ話し合いの段階にとどまっている。
問題になった「紅麹コレステヘルプ」などの3商品は、いずれも「コレステロールの吸収を抑える」ことを売りに人気を集めていた。しかし、このサプリメントの複数の服用者に腎機能の異常が表れた。紅麹が腎臓にもたらしうる影響としては、1995年にフランスの科学者が、紅麹菌が生成するカビ毒・シトリニンが腎臓障害を引き起こすことを発見していた。しかし、小林製薬は2020年に紅麹菌の全ゲノムを解析し、シトリニンを生成しない紅麹菌を突き止めたと発表。これを踏まえて、2021年から問題の商品を順次発売していた。同社は、今回の原因になったのはシトリニンではなく、2023年7月から10月にかけて製造された原料に想定外に含まれていた、青カビ由来の強い毒性を持つとされる物質「プベルル酸」である可能性が高いと説明している。
今回の問題が発覚するまで、小林製薬は高成長を続けていた。日本経済が衰退しても、コロナ禍でも、常に成長を続けた奇跡の一社と言えるだろう。同社のホームページによると、2023年12月期の小林製薬は売上高1734億円、利益203億円で、26年連続の増益となった。2015年以降、小林製薬は海外の代理店を通じた販売に力を入れ始めた。日本を訪れる観光客による「爆買い」の実績を背景に、中国市場の開拓に成功した。当時、日本へ行く中国人観光客の買い物リストには、額を冷却する「熱さまシート」、液体絆創膏「サカムケア」、消炎鎮痛薬「アンメルツ」など、小林製薬の商品が必ず含まれていた。同社の製品は、「日本に行ったら必ず買うべき“神薬”」とも表現されていた。その人気は衰えを知らず、小林製薬の売上のうち、中国による貢献は2019年から2023年までの5年間で84億円から136億円に増加した。
そんな中で発生した今回の健康被害問題は、「メイド・イン・ジャパン」の安心・安全なイメージが疑問視される新たなきっかけになってしまった。利益を求める余りに、品質を犠牲にしてしまった例は、日本でももはや珍しくなくなっている。スバルの排出ガス試験不正、神戸製鋼による技術データの改ざんなど、「メイド・イン・ジャパン」の看板は、かつてないほどに揺らいでいる。
筆者は20年前、日本で時計を購入した。日本製と中国製のどちらを買うべきか悩む私に、日本人の店員が「生産地よりもメーカーの方が大切です。品質にはメーカーの態度が表れます」と声をかけてくれた。なるほどと思い、その時はシチズンの時計を選んだ。日本は今、自身が何よりも大切にしてきたはずの、品質への保障と誠実な経営というビジネス上の倫理を再び考える時が来ている。(提供/CRI)
SayAnything 「サプリメントは健康な人が栄養補助食品として使うことを前提に売られており、病気の予防や治療効果を期待して飲むものではありません。」 とあるサイトより引用。 中国では薬として飲んでたのかな? |
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