【技術】「日本は、実在しない児童のポルノ画像も取り締まれ！」…AI生成児童ポルノ画像で、法改正求めシンポジウム

　画像生成ＡＩ（人工知能）で作られたとみられる児童の性的画像がネット上に拡散している問題で、対策を話し合うシンポジウムが９日、東京都内で開かれた。英国で対策に取り組む非営利団体の責任者が来日し、「ダークウェブ」と呼ばれる闇サイト上でＡＩによる児童の性的画像が１か月間に２０００点以上見つかったと報告し、対策での国際協調の必要性を訴えた。

　画像生成ＡＩは、文章を入力するだけで実写と区別がつかない画像を生成できる。ＡＩによる児童の性的画像は、欧米の主要国では法規制の対象だが、日本の児童買春・児童ポルノ禁止法は、児童が実在することが要件で、ＡＩ画像は原則対象外。こうした画像が投稿されているサイトが国内で複数確認されている。

　シンポは国際ＮＧＯ「チャイルド・ファンド・ジャパン」（東京）などが主催。英国の捜査当局の認定を受けて画像の削除などを行う非営利団体「インターネット監視財団」のスージー・ハーグリーブスＣＥＯ（最高経営責任者）を招いた。

　財団は昨年９～１０月、ダークウェブ上の掲示板を調査。約２万点のＡＩ画像のうち２５６２点が英国の法に抵触するリアルな児童の性的画像で、削除の手続きを進めたという。

　ハーグリーブス氏は講演で、「各国の捜査当局や対策団体は、被害者が実在する画像を見つける必要があるが、ＡＩ画像の対策に多大な労力を割くことになっている」と指摘。「一つの国で対処できるものではなく、国家間の連携が必要だ」と呼びかけた。

　この後、財団や日本で児童ポルノ対策に取り組む団体、弁護士で討論し、「児童ポルノ禁止法は現在の状況を想定しておらず、改正を検討する時期に来ている」などの意見が上がった。(抜粋)

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