【群馬】生活保護の相談者による威嚇に対応するための警察OB職員、生活保護の受給者を威圧「税金で飯食ってる自覚あるのか」

【群馬】生活保護の相談者による威嚇に対応するための警察OB職員、生活保護の受給者を威圧「税金で飯食ってる自覚あるのか」

 群馬県桐生市が生活保護費の支給で不適切な対応をしていた問題で、桐生市生活保護違法事件問題全国調査団(団長・井上英夫金沢大学名誉教授)は4日、同市内で報告会を開催した。受給者が市の窓口で相談員から「お前は税金で飯を食っている自覚があるのか」「生活保護は他の自治体で申請しろ」などと威圧的な対応をされた事例が新たに報告された。また、同市が警察OBを生活保護担当の部署に非常勤嘱託職員として採用し、専門外の就労支援に当たらせていたことも判明。調査団は5日、県や市などに改善を要望する。【遠山和彦】

 会で報告した「反貧困ネットワークぐんま」の町田茂さんによると、1月にフリーダイヤルで同市の生活保護支給について情報を募ったところ、窓口で相談員に威圧的な態度で申請を思いとどまらせるような対応をされたという訴えが多数寄せられた。相談員から「帽子をかぶって何様だ」と追い返されたり、「全てお前に原因がある」などと人格を否定するような発言をされたりしたという訴えもあった。

 情報提供時に「本当のことを話すと桐生市に仕返しをされる」「絶対に自分の名前を公表しないで」という人もいたといい、町田さんは「これまで窓口などでどれだけ多くの嫌がらせを受けてきたかが分かる」と説明する。

 また、調査団の調べで、2012年7月から市が警察OBを非常勤嘱託職員として生活保護の面接相談業務の補助者として採用していたことも明らかになった。生活保護の相談者による威嚇や不当要求に対応する狙いだったが、警察OBは相談者が不当要求者でなくても相談員として対応していた。また専門外の就労支援員として勤務することもあったという。

 市によると、福祉課には3係があり、現在は警察OBは保護係に2人、社会福祉係に1人の計3人が勤務している。調査団は「警察OBは対行政暴力事案に限って関与するよう見直すべきだ」として5日に市などに改善を要請する。

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