【国際】中国の若者が「語彙力不足」に、表現力低下の原因は?―中国メディア
【国際】中国の若者が「語彙力不足」に、表現力低下の原因は?―中国メディア
教育現場でも、ローテクノロジー(低テクノロジー)化が進んでいるため、本を読む機会が少なくなっていることも要因の一つかもしれませんね。
中国メディアの環球時報は15日、中国の若者の語彙(ごい)力が低下している背景について伝える記事を掲載した。
中国でこのほど1333人の若者を対象に行われた調査によると、「ここ数年で自分の言語表現能力が低下した」と感じた回答者が53.3%に上った。「語彙力が乏しく表現がワンパターンになっている」は47.1%、「手で文字を書く機会が減った」は43.2%、「自分の考えをうまく表現する言葉が見つからなかったことがある」は41.5%だった。
「語彙力低下」の原因に関する質問では、「読書量が少ない」が最多の54.0%。以下、「ネット上の言語やスタンプに過度に依存し、創造力が欠けている」が53.0%、「情報の閲覧が断片的になり、体系的な思考が難しくなっている」が52.1%と、いずれも半数を超えた。
北京市で働く張(ジャン)さんは「最近は自分の語彙力と文章構成力がますます乏しくなっていると感じる。いつも微博(ウェイボー)、抖音(ドウイン。中国版TikTok)、小紅書(RED)など(のSNS)ではやっている言葉をまねている。または、表情スタンプを使っている。スタンプはスピーディーに気持ちが伝わるし、みんなもそうしているので共感できる。でも、きちんと意思を伝えようとするときに自分の言葉で表現する方法が思いつかないこともある」と話した。
北京市社会科学院の伝媒・世情研究所の郭万超(グオ・ワンチャオ)所長は「頻繁に使用しなければ言語能力は低下する。現在、人々は簡略化されたネット言語に多く依存しており、手で文字を書くことも少なくなっているほか、読書でも書籍を断片的にしか読まなくなっている」と指摘。深く体系的な読書の欠如が言語運用力と理解力の低下につながっているとの見方を示した。(翻訳・編集/北田)