【国際】“全世界からタブー視される”国際ニュースに潜む怪人列伝〈プーチン政権を支える美女軍団〉

【国際】“全世界からタブー視される”国際ニュースに潜む怪人列伝〈プーチン政権を支える美女軍団〉

知られざる裏側が明らかに!プーチン政権の美女軍団がニュースに登場するなんて驚きだ!

 ロシアで最もトンデもない人物といえば、なんといってもプーチン大統領だろう。ロシアは完全に彼の独裁下にあり、いわば“プーチンの妄想”でウクライナへの侵攻は始まった。

 奇妙なことに、この独裁者はロシア国民の選挙で選ばれている。どういうことかというと、プーチン政権はメディアやSNSを完全にコントロールしており、国民の“洗脳”に成功しているためだ。こうして得た権力に絶対的強権をもたせ、反対する人間を密殺するなど恐怖支配を徹底する。この手法は、かつてのヒトラーと同じだ。

 国民の洗脳に一役買っているのがメディア宣伝だ。中でも、テレビは大きな影響力を持っている。ことに国営テレビ「ロシア1」の「ソロビヨフとの夕べ」や「60ミニッツ」など、政治討論ショーが人気番組なのだが、これらにはプーチンを称えることだけを任務とする論者たちが登場する。

 中でも、ひときわ目立つのが、マルガリータ・シモニャンだ。たいてい胸が大きく開いた派手な服装で登場し、プーチンをひたすら褒めまくっている。

 例えば、8月6日の「ソロビヨフとの夕べ」では、シモニャンはプーチン政権のロシアが素晴らしいと主張するために、こんなことを語っている。

「今は歴史的な時代であり、チャンスでもあります。私たちは歴史上でもう1度、巨大で強力なロシア帝国となります。天国はあるのです。私たちの大統領が言うように、私たちは天国に行けます。その天国とは、私たちの国です」

 陰謀論などというレベルをはるかに超えて、もう言っていることがカルト宗教である。これが現在、ロシア国民がゴールデンタイムに国営テレビで日々、聞かされている内容だというのだから頭が痛い。では、このシモニャンとは何者かというと、ロシア国営通信社「RT」編集長という肩書を持っている。

 このRTはもともと「ロシア・トゥディ」の頭文字で、ロシア政府の対外向け宣伝メディアだ。ロシア政府のプロパガンダを世界各国の言語で発信しており、内容的には完全にプーチン政権に有利な国際世論形成を狙った恣意的なものだ。一時は世界有数のマルチ外国語メディアとして大きな影響力を持ったが、いわゆる「フェイク・ニュース」の常連でもあり、EUは配信を禁じている。ロシア情報機関の一部として、米国政府も「外国エージェント」指定している。

 実際、西側諸国で親ロシアの論陣を張る言論人の多くが、RTでは常連として登場している。また、ロシア情報機関が偽アカウントで拡散するフェイク情報をRTが採り上げ、「大手メディアが報じた」とまた西側ネット界に拡散する世論誘導工作もロシアは常態的に行なっている。メディアというより事実上の工作機関だが、その象徴的な存在がシモニャンなのだ。

 1980年生まれのシモニャンは18歳からロシア南部の町の地方新聞社やテレビ局で勤務し、チェチェン紛争などを取材。その後、ロシア1に移籍し、地方記者からモスクワ本社に栄転する。クレムリン(大統領府)担当となり、プーチンと太いパイプを作る。05年に弱冠25歳で、新設されたRTの初代編集長に大抜擢された。当然ながらプーチン本人とのコネによるものだ。RTはロシア情報機関の下請け機関だが、シモニャン自身は工作員ではなく、プーチンの個人的な側近として別格的立場にある。プーチンとの個人的コネは、独裁下のロシアでは最強のツールなのだ。

 ちなみに同じような存在としては、民間軍事会社「ワグネル」を率いた故エフゲニー・プリゴジンがいる。彼はもともとプーチン行きつけの高級レストランのオーナーで、そのコネからロシア情報機関のさまざまな謀略に関与した人物だ。彼も工作員ではないが、プーチンとのコネから特別な立場にあり、傲慢な言動を誰も止められず、命を落としたという経緯がある。シモニャンはその点、自分の役割を心得ており、上手く立ち回っていると言える。

 なお、RTと同じくEUが禁止しているロシア政府の宣伝メディアに「スプートニク」がある。こちらもフェイク情報を駆使してプロパガンダを拡散する工作機関だが、海外の親ロシア派のインタビューをよく掲載する。日本人ではこれまで鳩山由紀夫氏、鈴木宗男氏、原口一博氏などが登場。今年8月5日には元明石市長の泉房穂氏が登場して一部で話題になった。

 さて、ほとんどカルト的にプーチン独裁政権を支える女性には、もう1人、目立っている存在がいる。ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官( 情報報道局長)だ。こちらは知的でセクシーな雰囲気を醸し出す女性として知られる。これも役職柄、メディアにしばしば登場するためだろう。

 ザハロワは1975年にソ連・ロシア外務省の職業外交官の父親とプーシキン美術館勤務歴もある美術史家の母親との間に生まれる。インテリ家庭に育ち、幼い頃に父の勤務地である北京に移り、17歳になるまで暮らした。したがって中国にはたいへん詳しい。

 帰国後、モスクワ国立国際関係大学国際ジャーナリズム学部で東洋学とジャーナリズムを専攻。卒業後、ロシア外務省に入省する。一貫して情報報道局で勤務し、一時期は米ニューヨークのロシア国連代表部の報道官も務めた。

 11年に情報報道局副局長となり、15年に情報報道局長に任命された。女性がこのポストに就くのは初めてで、16年には英BBCの「世界の100人の女性」の1人に選ばれている。

 ザハロワは報道官としてロシア外務省の記者会見に長年登場してきたほか、テレビの政治トークショー出演もこなしている。また、SNSでは個人名でロシア外務省の主張を精力的に広報している。いずれにせよプーチン政権内ではドミトリー・ペスコフ大統領補佐官と並ぶ有名人だ。ただし、役目に忠実なので、会見で言っていることは単なるプロパガンダである。そこにブレはまったくなく、ある意味で「優秀」だ。

黒井文太郎(くろい・ぶんたろう)1963年福島県生まれ。大学卒業後、講談社、月刊「軍事研究」特約記者、「ワールドインテリジェンス」編集長を経て軍事ジャーナリストに。近著は「工作・謀略の国際政治」(ワニブックス

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(出典 news.nicovideo.jp)

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