【経済】上半期の「飲食業倒産」、2年連続で過去最悪を更新 倒産が多かった業態は?
【経済】上半期の「飲食業倒産」、2年連続で過去最悪を更新 倒産が多かった業態は?
飲食業の倒産が増えている。東京商工リサーチが調査結果を発表し、2024年上半期における倒産数が前年同期比16.2%増の493件で、同期間として2年連続で過去最多を更新したことが分かった。日本産業分類の「飲食業」を対象に調査した。
飲食業はコロナ禍で逆風に直面したものの、手厚い資金繰り支援によって倒産が大幅に抑制されていた。一方、新型コロナの5類移行後は関連支援が終了・縮小するとともに、ゼロゼロ融資の返済も本格化。
加えて人件費の高騰や食材・エネルギー価格の上昇といったコストアップが進み、人流回復による売り上げだけではまかなえない企業が増加している。円安や物価高に収束の兆しは見えておらず、2024年は飲食業の倒産数が年間として初めて1000件台に乗る可能性が高まっている。
業種別に見ると、倒産が最も多かったのは「専門料理店」の123件(前年同期比32.2%増)。「酒場、ビヤホール(居酒屋)」(98件、同8.8%増)、「食堂、レストラン」(97件、同11.8%減)が続いた。
最も増加率が高いのは「バー、キャバレー、ナイトクラブ」で、前年同期比161.1%増(18件→47件)。2位は「すし店」で同157.1%増(7件→18件)、3位は「持ち帰り飲食サービス業」で同52.6%増(19件→29件)だった。
●倒産の原因は「販売不振」が最多
倒産の原因別に見ると、最多は「販売不振」の430件(前年同期比22.8%増)で、以降は「事業上の失敗」が23件(同91.6%増)、「既往のシワ寄せ」が15件(同40.0%減)で続いた。既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難による「不況型」の倒産が全体90.2%(445件)を占め、上半期としては3年ぶりに9割を超えた。
東京商工リサーチは「自治体などの積極的な創業支援を背景に、飲食業は参入しやすい環境が続いているが、ずさんな経営計画により採算ベースに乗せることができないまま事業継続を断念するケースも目立つ」とコメントした。