【社会】日本年金機構から18万人に「赤い封筒」で最終通告、そのうち3万人が直面する「恐ろしい出来事」の実態
【社会】日本年金機構から18万人に「赤い封筒」で最終通告、そのうち3万人が直面する「恐ろしい出来事」の実態
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満であれば強制加入となる国民年金。保険料は1カ月あたり1万6,980円です(令和6年度)です。しかし保険料の未納が続くと日本年金機構から何度か警告があり、それでも未納が続くと大きな後悔を抱く結果に。年金保険料、未納の先にある恐ろしい未来とは?
国民年金保険料未納で届く、「青・黄・赤」の封筒
建設業界で10年のキャリアを積み、30歳で独立した男性。会社を退職したら厚生年金から国民年金に切り替える必要があり、役所や管轄の年金事務所で手続きをしなければなりません。しかし、面倒という理由で手続きを行っていなかったとか。ただ手続きを行っていない場合でも退職の翌日から自動で国民年金に切り替わり、国民年金保険料を納付していなければ未納扱いになります。
――独立したばかりで、正直生活がしんどい……
――仕事が軌道に乗り始めてから、保険料を払うようにしよう
国民年金保険料が未納の男性、まず日本年金機構から圧着ハガキで「国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)」が届きます。
それでもなお、保険料の納付を拒否していると、「特別催告状」が届きます。特別催告状は封筒に入っているもので、最初に届く際の封筒の色は青。次に届くのが黄。そして赤(ピンク)と、だいたい3回ほど届くのが通例です。ちょうど信号機のように、色で強い警告へと変わっていくことを知らしめているわけです。
赤い封筒に入った特別催告状でも保険料納付に応じないと「最終催告状」が届きます。ここには「同封の納付書で、滞納分の全額を指定期日までに納付すること」「納付がない場合、差押えに移ること」が記されています。
それでも納付に応じないと「督促状」が届きます。督促状で指定された期日までに納付しないと、その分、延滞金が発生するようになります。
それでも納付に応じないと「差押予告通知書」が届きます。これは日本年金機構が財産調査を行ったうえで送られてくるもので、差押え前の最後通告。これ以降は差押えに関する予告はなくなり、突然、差押え当日を迎えることになります。
厚生労働省の発表によると、2023年度、国民年金保険料の現年度納付率は77.6%。最終納付率まで出ている2021年度は現年度納付率71.5%から最終納付率は83.1%と11.6ポイント上昇しています。2023年度も最終的に同程度、納付率が上がると仮定すると、9割の人が国民年金保険料を納付していることになります。
2023年度「年金保険料強制徴収」…18万人に「警告」→3万人が「財産差押」
圧倒的多数の人が納付している国民年金保険料。しかし再三にわたる警告に関わらず、納付を拒んでいると、最終的に財産の差押えという事態に直面します。
昨今、不公平感の解消を目指し、強制徴収の実施が強化されています。赤色の封筒に入った最終催告状は、コロナ禍の影響で2021年は2,117件の通知でしたが、その翌年には18万9,009件、そして昨年は17万6,779件に送られました。
それでも納付に応じず、「督促状」が送られたのは、2021年度15件、2022年度13万3,476件、2023年度10万2,238件。さらに最終的に「財産差押」となったのは、2021年度46件、2022年度1万2,784件、2023年度3万0,789件でした。
つまり赤い封筒で最終警告がされた人の17%、6人に1人が、「財産差押」という事態に直面したわけです。誰もが差押えの対象になるわけではなく、「所得額300万円以上で7ヵ月以上保険料が未納」の人が対象。ただこの条件は年々厳しくなり、いずれ無条件になる可能性はあります。
差押えの対象となるのは、例外はありますが「給与の一定額」「預貯金」「自宅などの不動産」「生活必需品以外の動産」「自動車」など。
――保険料を払いたくてもお金が……
もちろんそういうやむを得ない事情の人もいるでしょう。その場合、まずは年金事務所などに相談を。保険料免除や猶予の制度が利用できれば、将来の保険料が減額となるなどのデメリットはあるものの、保険料未納による財産差押という恐ろしい事態は免れます。
とにかく、封筒の色まで変えてまで警告しているわけですから、無視するのはNGだということ。日本年金機構から色付き封筒が届いたら、迅速な対応が求められます。
[参照]