【国際】ウクライナ軍の旅団が総崩れ、数百人の部隊に包囲の危機 ディープステート「敵を抑え込むことができなかった」
【国際】ウクライナ軍の旅団が総崩れ、数百人の部隊に包囲の危機 ディープステート「敵を抑え込むことができなかった」
ウクライナ東部ドネツク州アウジーウカの北西にあるプロフレス村付近で、ウクライナ軍の部隊が包囲される寸前になっている。部隊は数百人規模かもしれない。ロシアがウクライナに対する戦争を拡大して2年5カ月たつなか、ウクライナ側にとって現在、最も脆弱になっている可能性がある方面で新たな難局になっている。
廃墟と化しているアウジーウカの西の戦場では最近、不吉な兆候があった。ロシア軍の数個の自動車化狙撃連隊は1週間で西へ6km前進していた。この戦争でのロシア軍の進撃ペースとしては相当速いものだ。
家屋100棟ほどの小さな村であるプロフレスに進撃したロシア軍部隊は二手に分かれ、ウクライナ軍の第31独立機械化旅団の2個大隊をほぼ包囲した。
友軍はそれほど遠くない場所にいて、包囲寸前の部隊も持ちこたえている。ウクライナの調査分析グループ、ディープステート(DeepState)は24日、「撤退命令は出ていない」と報告している。
撤退命令はすぐに出てもおかしくない。ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は、最後の1人になるまで戦い抜くという戦い方はしない方針を示している。シルスキーは以前、英紙ガーディアンに「わが軍にとって兵士の命を守ることは非常に重要です。廃墟を死守するということはありません」と語っている。
ウクライナ側にとって、小さな村周辺のいくつかの土地を放棄するのは破滅的なことではない。それよりも憂慮されるのは、一帯の喪失を招いた状況だ。この方面全体でウクライナ側の指揮統制に問題があると指摘されるなか、ある旅団が総崩れになったもようだ。
ディープステートは「週末に歩兵旅団のひとつが無秩序に撤退したため、作戦・戦術状況は危機的になった」と説明している。言及されている旅団は、第110独立機械化旅団か第111独立領土防衛旅団を指すのかもしれない。
ウクライナの戦場記者ユーリー・ブトゥソウもプロフレス方面のウクライナ軍旅団に関して、最大の問題は「わが軍の戦闘の管理と組織化」だと伝え、機能不全に警鐘を鳴らしていた。
■精鋭の第47機械化旅団が対応したが、ロシア側を抑えきれなかった
ブトゥソウは「きちんと管理できていない旅団が攻撃を受ければ、限られた防御線ですら保持できない」とも書いている。
1個旅団が総崩れになると、ウクライナ軍の精鋭部隊で米国製の装甲車両の運用で中心を担う第47独立機械化旅団が急いで突破口に向かい、ロシア側にさらに深く突破されるのを阻むため必*防戦を行った。
しかし、数で劣る第47旅団は「敵を抑え込むことができなかった」とディープステートは述べている。現在、プロフレスの西側の防御線は第47旅団と、包囲さていない第31旅団の部隊が保持している。
第31旅団のほぼ孤立した大隊がどのように生き延びているのかは、とくに秘密でもない。ロシア軍もウクライナ軍も、孤立した部隊のために、大型のドローン(無人機)で上空から糧食や水、弾薬を投下することをよくやっている。
とはいえ、ドローンでは数百人規模の部隊に無期限に糧食や水を供給することはできないし、ミサイルなど重量級の弾薬を補充したり、負傷者を安全な場所に搬送したりできないのは言うまでもない。2個大隊は自力で西側に脱出するか、東側からの味方の救援を待つしかないだろう。
脱出や救援に手間取れば、ほぼ包囲されたこれらの部隊は飢えや欠乏がゆっくりと進んでいくか、数にまさるロシア軍部隊に四方から攻撃され、すぐに壊滅するおそれがある。
7/25(木) 18:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/0d242a7d650cc62773aed176e288b5b29faad374
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