つんく♂が明かす!「モーニング娘。に段原を入れたかった理由とは?」
つんく♂が明かす!「モーニング娘。に段原を入れたかった理由とは?」
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つんく♂:段原が最初に記憶しているのは何?
段原:広島の田舎から出てきた小学生だったので、「テレビで観たつんく♂さんがいる」と思いました。
つんく♂:俺からはなんて言われたの?
段原:実はオーディションの結果がショックであまり記憶にないんです。
「該当者なし」ってつんく♂さんから言われたんですけど、言葉の意味がわからなかったんですよね。けど、「落ちた」雰囲気は察したので、ショックでした。
つんく♂:段原が在籍する10年間、俺は2回くらい喋った記憶があるんやけど。
段原:お手紙もいただいたことがあります。その時の総評とか。一番覚えているのが、ハロプロ研修生として初めて参加したハロー!プロジェクトのコンサートです。
地方組の私は広島の公演にしか出ない予定だったんですけど、「その後の全国ツアーに帯同してください」って急に言われて、全国をついて回りました。すごい体験だったんですが、なぜ私だったんですか?
つんく♂:段原の声はそれまでのハロー!プロジェクトにはない「粘り強さ」みたいなものがあったから。
段原が自分の歌をどう評価しているかは知らないけど、昔から決して自分の歌を「へたくそ」とは思ってなかったんじゃないかな。
「小学生の頃は歌がうまいことに自信があっても、加入したらリズムや表現力がもっとすごいやつがおるから、悪い意味で落ちこぼれていくなよ~」という気持ちでも、選んだの。
広島からレッスンに通うのも面倒だろうし、違う誘惑にも出会うやろうし、全国から集まる強者を目の当たりにすると、すべてに負けたような気持ちになって「まあいいや」って挫折もありえただろうし。
ハロー!プロジェクト(プロの世界)に入ると、グッズの売れ行きとか、握手会の列の長さとか、そういう人気が基準になってしまう部分ってあるやん?
「歌、頑張っても意味ないじゃん」と思う時もあるんちゃうかなと。俺がプロデューサーしていたら、俺なりに評価とかアドバイスも出来たけど。
立場が違ったし、「他の誰かが段原に上手に伝えてあげられたらええけど、どうやろな~」って心配していたんだよね。
段原:……嬉しいです。泣きそうになってきました。
つんく♂:今もそう。モーニング娘。に入れたらいいなと思っていたけど、Juice=Juiceに入った。結果としては、ここだからこそ鍛えられた部分もあったから良かったなと思うよ。
段原:子どもの頃の方が「自分は歌がうまい」と思っていて自信もあったんですけど、Juice=Juiceに入ってからは、周りのレベルが高い中で、「自分はまだまだだな」と思う瞬間がたくさんありました。
その中でも「段原は歌が上手だ」とスタッフさんが褒めてくれる。けど、自分はそこまで達してない。
「段原瑠々はすごい」というイメージとハードルだけが上がっている感じがして、こじれていたので、そういう風に思っていてくださったことが分かっただけでも、救われた気持ちになりました。
つんく♂:具体的なことを言うと、小田さくらもそうだけど、うまいやつらは声を出しすぎるとリズムが消えるんだよね。
今はリズムを軌道修正する人がいないから、Juice=Juiceの中で「自由」って言葉が便利でいいのか、逆にまとまりにかけているのかはわからない。
個性は「自由」でいいけど、音楽についてはみんな同じタイム感、リズム感を取れたほうがタイトにまとめられるはず。
「自由」って下手すると「自分のすごさ合戦」になりがちなところもあるから、ちょっと心配かな。
音楽的にはみんなでキュってまとめられたら、ハロー!プロジェクトだけじゃなくて、外に出ても「すげー」と思われるんじゃないかなと思うよね。
段原:「ユニゾンのところをタイトに」というのはよく言われるので、流れている自覚はみんなあると思います。これから力を入れてやっていきたいと思います。
つんく♂:了解です。次!
https://note.tsunku.net/n/n6e8ec0d949ea