【貧困】「低所得者なのにディズニーに行こうとするなんて…」いつから夢の国は「格差社会の象徴」になったのか
【貧困】「低所得者なのにディズニーに行こうとするなんて…」いつから夢の国は「格差社会の象徴」になったのか
https://news.allabout.co.jp/articles/o/81708/
(前略)
さらに現在では「年間パス」も廃止され、お得なサービスもなくなった。ただこうした動きは日本の置かれた経済環境などを考えると避けられないものである。しかも今後も値上げは続いていく可能性が高い。
◆「チケットが高いんじゃなくて、私たちの給料が異常に低い」
入場料などが高くなる流れには、ファンたちがSNSなどで悲鳴の声を上げている。いくつか拾ってみるとこうだ。
「ディズニー値上げしすぎて、お金がないと夢すら抱けないこの時代を表してる」というコメントや、「ディズニーのチケットが高いんじゃなくて、私たちの給料が異常に低いんだよ…」なんて声もある。
さらにディズニーリゾートでは園内での食事やスナック、お土産などを加えると、かなりの出費になる。そこにも値上げの波は来ていて、園内のレストランのメニューのリニューアルに伴って、結果的にメニューも値上げされることが明らかになっている。不思議の国のアリスをテーマにしたレストラン「クイーン・オブ・ハートのバンケットホール」では、ケーキの値段が7月1日から約2倍になるとして一部ファンの間で衝撃が走っている。
その一方で、「ディズニーチケットが安くなった世界がただの地獄だった」「ディズニー、値上げしても、まだ激混みみたいだから、もっと値上げすればいいのに」という声もネット上にはある。
高いチケットであっても難なく購入できる層は、入場料が高くなることで来場者数が減って混雑が緩和されることで、快適に過ごせるようになったと歓迎しているわけだ。
(中略)
◆アメリカでは、ディズニー旅行のために借金する親が77%
ディズニー入場料の値上げなどに対する意見の違いなどを拾ってみると、ディズニーリゾートはすでに庶民が気楽に利用できる娯楽施設でなくなっているのが分かる。そして、ディズニー側もその点に意識的であり、お金を出せる人たちに向けた特別な場所にシフトしているということだ。
こうした状況は東京だけのものなのか。実は、世界のディズニーランドも入場料は高い。
例えば、本場アメリカのカリフォルニア州にあるディズニーランドでは、1日の入場料は変動価格制で、大人なら最大で194ドル(約3万円)にもなる。
この入場料は、アメリカ人の多くにとっても気楽に支払える金額ではない。事実、アメリカのオンライン金融サービス企業が2023年に行った調査では、アメリカでは18歳未満の子どもを持つ77%がディズニーランドを訪れるために借金をした経験があると答えている。たださすがに夢の国だけあって、ディズニー旅行のために借金をした親のうち、59%が借金しても行って良かったと答えている。
◆「低所得者なのに、ディズニーランドに行こうとするなんて」
同じ調査では、ディズニーランドに行かない理由の1位は、「Too Expensive」(高すぎる)で、全体の48%を占めていた。そしてアメリカでも、SNSなどでディズニーランド(またはフロリダのディズニーワールド)は高すぎるという議論が起きているが、「低所得者なのに、ディズニーランドに行こうとするなんて、あなたはファンタジーの中で生きている」なんていう辛らつな意見もあり、ディズニーランドがもはやお気楽な遊園地ではなく、格差社会の象徴になっているというコメントすらある。
これは世界どこでも共通だが、ディズニーランドに行くには、交通費もかかるし、近くに住んでいなければ、宿泊費などもかかる。そうなれば、ますますディズニーランドに行く費用が高くなり、庶民ではなかなか遊びに行けない世界になっている。
◆夢の国への体験には、それなりの「対価」が必要
ただ同ディズニーランドのテーマである「Happiest Place on Earth(地球でもっとも幸せな場所)」を体験するには、それなりのお金を払わないといけないということだ。東京ディズニーリゾートもそうだが、世界でもその貴重な体験が付加価値となり、ディズニーリゾートの価値を高めている。安い遊園地なら、ディズニーのようなブランディングを維持したり、価値観を提供することはできない。
日本でも、ディズニーリゾートは気軽に行けるような遊園地ではなくなっているが、これまでの推移を見ても、今後、入場料だけでなく、園内のレストランなども値上げを続けるだろう。「夢の世界」を味わうには、それなりの金額を払う必要があるということだ。