【沖縄】相次ぐ米兵性犯罪、政府から県への連絡遅れ相次ぐ…上川外相「被害者のプライバシーを配慮」釈明に県が猛反発

【沖縄】相次ぐ米兵性犯罪、政府から県への連絡遅れ相次ぐ…上川外相「被害者のプライバシーを配慮」釈明に県が猛反発

沖縄県内で発生した米兵による性犯罪事件を巡り、捜査当局と政府の間で共有された情報が、県に迅速に伝達されないケースが相次いでいる。政府は被害者のプライバシーを配慮して公表しないとした捜査当局の判断を踏まえたと釈明するが、県は日米間の事件・事故の通報手続きが機能していないとして反発している。

 那覇地検は17日、県内で5月、性的暴行をしようとした女性にけがをさせたとして、米兵を不同意性交致傷の罪で起訴した。岡野正敬外務次官は6月12日、ラーム・エマニュエル駐日米大使に再発防止徹底を申し入れたが、県に情報を伝えていなかった。政府は事件発生が明らかになった28日に県に連絡した。

 在日米軍による事件・事故の情報は、1997年の日米合同委員会で、外務省や沖縄防衛局が米側から連絡を受け、県に伝えると定められた。だが、今回の事件は迅速な情報共有は行われなかった。

 別の米兵が昨年12月に少女を誘拐して性的暴行を加えたとして今年3月27日に起訴された事件でも、岡野氏が起訴当日にエマニュエル氏に再発防止を申し入れたが、政府が県に事件内容を伝えたのは問い合わせを受けた6月25日だった。

 上川外相は28日の記者会見で、速やかに政府が県に伝えなかった理由について、「捜査当局は関係者のプライバシーや捜査、公判への影響の有無などを判断した上で、公表するか否か判断した。外務省としてもその判断を踏まえて対応した」と説明した。

沖縄県は政府の対応を批判している。県内では、各党関係者が外務省沖縄事務所や沖縄防衛局を相次いで訪れ、情報提供の徹底を要請。県議会では、自民、公明両党を含む超党派で抗議決議・意見書案提出に向けた議論が始まった。那覇、浦添両市議会なども抗議決議を可決している。

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