「アルコールランプの芯をさばいた」 理科実験の準備でアスベスト関連がんの中皮腫発症 労災認定 元小学校教諭の男性

「アルコールランプの芯をさばいた」 理科実験の準備でアスベスト関連がんの中皮腫発症 労災認定 元小学校教諭の男性


(出典 1.bp.blogspot.com)
1 ぐれ ★ :2024/02/19(月) 21:43:31.43

※毎日新聞
2024/2/19 07:00(最終更新 2/19 10:57)

 理科の実験の準備が原因でアスベスト(石綿)関連がんの中皮腫を発症したとみられるとして、69歳で死亡した元小学校教諭の男性が、公務員の労災にあたる公務災害と認定された。遺族への取材で判明した。かつては実験器具に石綿が使われており、飛散した粉じんを吸ったとみられる。石綿による教員の労災認定は事例が少なく、専門家は「氷山の一角だ」と指摘している。

「アルコールランプの芯をさばいた」

 和歌山市立小学校の教諭だった山東日出男さんは1977年から2013年にかけて、主に高学年の授業を担当した。21年に中皮腫を発症し、手術担当医からは「石綿が原因」と告げられた。公務災害認定を求めて地方公務員災害補償基金に請求していたが、22年4月に死亡。24年1月、妻が認定通知書を受け取った。

 山東さんは基金への申立書で、「理科の授業の準備で、アルコールランプの石綿製の芯の上部をさばいて燃えやすいようにした。飛散して落ちた粉じんの掃除もした。当時は石綿の発がん性を知らず全く無防備だった」と説明していた。ランプで熱するビーカーなどを置く金網も、石綿で耐火被覆されたものを使っていた。

 石綿は古代よりランプの芯に使われていたが、石綿製のひもを切断すると、粉じんになりやすいとされる。厚生労働省は04年に石綿の製造、使用を原則禁止にしており、現在、日本製の実験器具に石綿は使われていない。

 妻は「病気をしたことがない人だったので診断を聞き、まさかと思った。主人は戻ってこず無念だが、認定に喜んでいると思う」と話している。

「氷山の一角」と専門家

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