【議論】「世界優しさランキング」堂々の最下位…日本人に起業家が少ない衝撃的理由を米国大学講師が考察
【議論】「世界優しさランキング」堂々の最下位…日本人に起業家が少ない衝撃的理由を米国大学講師が考察
現代ビジネス5/27(月) 7:03配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/99ac91154364dd127ec6d8c7087f4db1b541f283
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。
本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。
『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第14回
『ビル・ゲイツと松下幸之助に共通する起業家の真髄…儲けではない「もっとも重要なこと」』より続く
実は「日本人は優しくない」⁉
幸せといえば、イギリスの慈善団体「Charities Aid Foundation」(CAF)が発表している「世界寄付指数ランキング」というものがあります。寄付指数というとよくわからなくなるのですが、このランキングを構成する要素は、
1.助けを必要としている外国人や見知らぬ他人などに対してなにか助けたことがあるか?
2.寄付をしたか?
3.ボランティア活動を行なったか?
この3つを数値化しています。単純に「寄付をしている」というものではなく、「他者に対する優しさ」を計っているイメージがあり「世界優しさランキング」といってもいいかもしれません。
こういう話題になるとご多分にもれずというか、2020年の調査では、日本は114ヵ国中最下位となっています。参考までにトップ10は、インドネシア、ケニア、ナイジェリア、ミャンマー、オーストラリア、ガーナ、ニュージーランド、ウガンダ、コソボ、タイです。(World Giving Index 2021)
怖がりでナイーブな日本人
困っている人を助けたかというランキングで堂々の世界最下位。なんていうことだ。利害関係にない人に対する優しさの向上に努めていきたい! 一方で「日本人は優しくない」と言われると少し嫌な気持ちにもなります。
そして、GEMレポートでは、次のような数字もあります。(2022―2023年版より)
【指標】 【日本の順位】(49の国・地域への調査による)
起業機会に対する認識 最下位
起業に対する自信 最下位
過去2年以内に起業した人を知っている 最下位
起業失敗への恐怖 11番目
起業への意識が低いのは、前章でも触れました。加えて、自信がなく、身の周りに起業家もいない。失敗を恐れているという傾向。これと「優しさランキング」をあわせてみると少し見えてくるものがあります。
日本人って、なんてナイーブなんだろう。
外国人や見知らぬ人が困っている姿を見ても、「どうすればいいのかわからない」「失敗して逆に迷惑をかけるかもしれない」、こんな「行動に移せない」姿が想像できます。優しくないわけではないのです。
行動することが怖い、自信がない、のです。
アメリカにいると、いろんな国の人の気質の話になることもあります。その中で、優しさに関わるものもあります。
道に迷って困っている人がいると、韓国人はすぐに駆け寄って話を聞き、道を教えてあげる。
日本人は、どうしようかと遠巻きに見ているけれど、「助けてください」と頼まれると、道を教えるどころか、目的地まで一緒に行ってあげる。
国民性という大きなくくりで語られることに違和感もありますが、なんとなく、このイメージには納得する点があります。日本人は優しくないわけではなく、自分から行動するには自信がなく、怖がりなのです。でもいざ行動をすると、徹底している。
日本に起業家が少ないと言われる理由として、納得できるものの一つだと思います。
『ナイーブな日本人が参考にすべき、起業家教育の名門・バブソン大学のポジティブすぎる「カルチャー」』へ続く