【中央時評】韓国、「自滅国家」の流れを変えよう 我々はまだ手遅れではない
【中央時評】韓国、「自滅国家」の流れを変えよう 我々はまだ手遅れではない
ローマ帝国の衰亡に関する大著作を残した歴史家によると、自然と時間、外部の侵略と破壊、資源と物質の乱用でなく内部の不和と敵対が最も致命的な衰亡原因だった。外部戦争に常勝したローマ帝国も内部分裂という敵には敗れたのだ。法の専制が不和と破壊を完成させた。調和と均衡でなく常に処罰と抵抗を分けるからだ。時間も野蛮族もできなかったローマの破壊と滅亡を招いたのもローマ人自身だった。
現代社会科学を築いた最高の学者によると、荘厳な古代文明の没落というローマ崩壊のドラマは外部の一撃で突然到来したものではなかった。ローマの本質と精神内部からの変質に起因した。外部の要因は長く進行していた内部の要因に終止符を打ったにすぎない。
今日の大韓民国は物質文明と技術水準、国家経済と国力の面で世界1けたの順位または先頭圏にある。いくつかの先端商品・技術・文化・経済・国防・科学・医療分野の世界順位は10位圏はもちろん4-6位、さらには1-3位に入る。この地に人が暮らし始めてから今日のように韓国の文明の地位や幅が世界のトップ圏を占めたことはなかった。
複数の国際機関によると、韓国は産業化開始以降、国家経済や1人あたりの所得増加ペースで世界最高になったりした。大変な成就だ。これら機関は韓国を産業化開始から一世代も経たないうちに「第1世界」に進入した国に分類する。すべての国が共にした競走で韓国は追い越すことを繰り返して疾走した。この過程で韓国人が流した汗と犠牲は我々すべてを粛然とさせる。ある総合国力指標では韓国が日本やフランスを連続で抜いている。国際体制理論によると、韓国が「帝国」と「国家」の間の「準帝国」の地位になったのは明らかだ。近代の英国・フランス・ドイツ・日本に匹敵、またはそれを上回る地位だ。
しかしすでに何度か強調したように、人間と生命の否定的指標でも韓国は断然トップに立つ。出産も、自殺も、青年の死亡も、高齢者の貧困も、人口消滅・地方消滅・国家消滅指標もそうだ。自己保存と自己延長を根本存在理由とする人間と国家が、いかなる外部の侵略や要因もなく、自ら自己生命と自己延長の中断の経路を進んでいる。
むしろ外部との戦争では立派に国を守ってきた我々だ。そのような国が民主主義と自由、経済と文明の絶頂で「韓国頂点」を話す深刻な逆説に直面している。自滅的選択、自滅国家の経路だ。ソ連やローマのように清国の滅亡の端緒も帝国の絶頂から始まったという洞察は今日の韓国人をぞっとさせる。
韓国は複数の国際比較指標に見られるように内部の葛藤で世界先頭圏だ。帝国と国を破滅に導く最高の原因である内部葛藤を克服する制度とリーダーシップ、能力と知恵を見せられずにいる。そうでない。反対だ。相手陣営に対する憎悪と清算意志のため、そのような制度や人物に向けた理性と情熱を当初から持とうとしないのだ。個人と家庭も同じだが、自ら分かれて持ちこたえた国はない。自ら分かれて発展した国はなおさらない。宗教と政治と歴史の一貫した根本的な教えだ。
人間と生命、国と全体問題に関する限り、自滅に向かう流れを必ず変えなければいけない。文明の滅亡に関する人文歴史と、生命体の絶滅に対する自然科学の最高の知恵は驚くことに結論が同じだ。真理ということだ。一度消滅の道に入った文明と生命体を元に戻した事例はきわめて少ない。いや、ほとんどない。自滅はいうまでもない。治療薬がないからだ。いま我々はまだ手遅れではない。
パク・ミョンリム/延世大教授・政治学
https://news.yahoo.co.jp/articles/f8f4ba202a4508acb76f944fa23c586102de1f57