不登校の子、高校受験に「調査書の壁」…特別枠を設ける自治体も
不登校の子、高校受験に「調査書の壁」…特別枠を設ける自治体も
そこで調査書が不要な特別枠を求める動きや、実際に導入する県も出てきた。不登校30万人の時代、不登校の受験生や保護者はどんな問題に直面しているのか。不登校の受験生の保護者や、不登校だった生徒、塾講師、教育委員会を取材した。
東京・城西地区に住むデザイナー・石田めぐみさん(仮名、30代)はこの春、中3になったばかりの娘の七海さん(仮名)からこんな決意を聞いた。
「成績でオール3は取りたい。だから、絶対遅刻しない」
聞いた母のめぐみさんは内心、「大丈夫かな」と思った。七海さんは長期にわたって、不登校だったからだ。
七海さんはもともと西日本の公立小に通っていた。小5のときに担任教師とのトラブルで不登校になった。小6で都内の公立小に転校、中学は公立校に進学したが休みがちだった。理由のないルールを押しつけられるのが苦手で、忘れものや忘れごとが多い。注意欠如・多動症(ADHD)の傾向がある。
今年、中3になり、高校受験を控える受験生となった。いま七海さんが目指しているのは定時制の都立高校だ。都心にあるその学校は、朝から夜まで登校時間を選べる4部制で、大学受験では国公立大や難関私大の合格実績も高い。「定時制のトップ高」(塾関係者)だ。
七海さんは中1の終わりから、不登校に理解がある個別塾に通い、勉強で後れをとらないようにしてきた。一方で、受験について気がかりなことがある。中学からの調査書だ。中1と中2は定期テストをほとんど受けられず、内申点は1か2だったとめぐみさんが言う。
東京の都立高校の入試では、中3の1学期と2学期の成績が高校に送られるようです。だったら、調査書ではせめて(多くの教科で内申点5のうち)3は取りたいねって。それで、七海は毎日学校に行って、テストも受けると決めたようです」
【中略】
ところが5月、思わぬことが起きた。その日、日直の仕事を忘れたことで、七海さんは担当教員に厳しく叱責された。教員は七海さんに発達障害があることを知らない人だった。それを機に、七海さんは再び学校に通えなくなってしまった。
調査書がどうなるのか、親子で心配しているとめぐみさんは言う。
続きはYahooニュースオリジナル
2024/08/03 11:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c51dcde7278e667c6390c1c5c1c1b8eac1ee531