閉校した小学校の二宮金次郎像、入札にかけられる…「玄関先の人目につくところに置くなど大事にして」
閉校した小学校の二宮金次郎像、入札にかけられる…「玄関先の人目につくところに置くなど大事にして」
“勤勉”の象徴として多くの学校で設置されてきた像が入札にかけられるとして大きな話題を呼んでいます。
一般競争入札にかけられるのはおととし(令和4年)閉校した三木市の東吉川小学校に設置されていた青銅製の像で、高さは1メートル、重さは23キロで薪を背負って本を片手に歩くおなじみのたたずまいです。
今から65年前に設置され、撤去されたあとは市役所の倉庫で一時的に保管されていましたが、市は“処分するよりも像を必要としている人に届けたい”と売却を決めたということです。
入札参加の申し込みはすでに締め切られていて、来月(6月)最低価格1万円から入札を実施する予定だということです。
“勤勉”の象徴として、多くの学校に設置されてきた二宮金次郎像が入札にかけられるとして、市には全国から問い合わせが多数寄せられるなど話題を呼んでいます。
三木市財政課の伊藤博子 課長補佐は「多数の問い合わせがあって驚いています。長年、子どもたちを見守ってきた金次郎像なので、玄関先の人目につくところに置くなどして大事にしてほしいです」と話していました。
薪を背負って、本を片手に歩く姿で、勤労・勤勉・孝行の象徴として、長年にわたって親しまれてきた二宮金次郎像。
金次郎像が読んでいる本は中国の古典「大学」という書物で三木市の銅像が手にしている本にも「大学」の一節が書かれています。
二宮金次郎こと、二宮尊徳の出生地の小田原市にある尊徳記念館によりますと、明治30年代に現在の道徳にあたる修身という科目の教科書に、働きながらも勉学に励むエピソードなどが採用されたことをきっかけに二宮金次郎の存在が全国に浸透していったということです。
そして、大正時代から戦前にかけ有志らが寄贈して小学校に金次郎像を立てるのが全国的にブームとなり、相次いで設置されたということですが、戦時中は兵器を作る原料として、供出されることもあったということです。
現在は学校の統廃合や像の老朽化などの理由で撤去されたり、放置されたりするケースもあるということですが、尊徳記念館は「自治体が金次郎像を入札にかけて販売するケースはとても珍しい」としています。
05月31日 15時54分
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20240531/2020025389.html