20代でも老害脳?パートナーの料理に点数をつける恐ろしい思考回路
20代でも老害脳?パートナーの料理に点数をつける恐ろしい思考回路
現代ビジネス
たとえ年齢が若くとも「老害脳」になっている可能性がある人はいるーー。そう指摘するのは新刊『メンターになる人、老害になる人。』の著者で、経営コンサルタントの前田康二郎氏だ。前田氏がテレビで見かけた「若老害」の人の、恐るべき思考回路とは? その問題点をくわしくお伝えする。
「老害脳」かどうかに年齢は関係ない
街頭インタビューで「パートナーに対してやめてほしいこと」というテーマで、ある人が「私が作った料理を毎日『今日は〇〇点だね』と言うのをやめてほしい」と言っていました。
この内容に「そんなことを言う人がいるの?」とぞっとする人は老害からは縁遠いと思いますが、「え? これのどこがおかしいの?」と思う人は、年齢が若くても既に老害脳になっている可能性が高いです。
採点というのは、採点して欲しい人からならば参考になるものです。その点数が良ければ嬉しいし、悪ければ反省材料にすることでしょう。逆に採点される筋合いのない人から採点されたら、99点だったとしても「は? 99点って、あと1点何が悪いっていうの? ところであなた、誰?」となるはずです。
この例は、そもそも「採点している人」が食事を作ってもらうこと自体に対して感謝がありません。感謝がある人ならば、採点しようという発想にならないでしょう。
「自分のために作ってくれて当たり前、むしろ作れる喜びすら感じているのでしょう?」と思っているから「相手のために採点してあげて、より上手に、料理を自分好みに作れるように、育ててあげよう」という発想につながります。
だから自分は良いことをしているんですよ、という思考回路です。大変恐ろしいことです。
頼まれてもいないのに採点をするな
ちなみにこのインタビューに答えた人は20代で、パートナーも同じ20代だそうです。ひょっとしたら「今日の料理は〇〇点だね!」と「採点をするご家庭」でお育ちになられたのかもしれません。
老害とは、地位の獲得など自分の努力や経験により経年で形成されていくものもあれば、家庭や学校など環境により幼少期から形成されるものもあります。このような「若老害」の方が年齢を重ね、地位まで獲得したら「最強の老害」となることでしょう。
また、人に採点をする行為というのは、本来、お互いの同意があって成立するものです。オーディションや受験など「採点で合否が決まる仕組みですがそれでもいいですか?」「わかりました」という関係性のもとで成立します。
同意なく採点するのは原則、上から目線の「敬意がない行為」に該当します。道すがらすれ違う人に突然「50点」とだけ言われたら「は? 何が? しかも50点って……」と誰もが思うでしょう。
そのため「採点してください」と頼まれたらしてもいいですが、頼まれてもいないのに採点するのは控えましょう。
ただ、点数をつけたがる癖がなかなか直らない人も多いです。その場合は、満点か満点以上をつけて、具体的にどこが良いかを言ったり書いたりすれば、相手への敬意が伝わります。
部下に「あなたの仕事は99点だね」と言っても嬉しくも何ともありません。「あなたの仕事はいつも200点だね」と言われたら、「上司だからって勝手に採点しないでよ……」と思いつつも、「まあでも、うちの上司、わかってるじゃん」と、悪い気はしないでしょう。
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