【経済】一杯3500円で話題のラーメン店、45歳社員の月給は60万円。「利益はほとんど出ない」のに高給なワケ
【経済】一杯3500円で話題のラーメン店、45歳社員の月給は60万円。「利益はほとんど出ない」のに高給なワケ
日経平均が一時4万円の大台を突破し、世間は色めきたっているが、賃上げは一部の大企業に限られ、いまだ道半ばだ。ただ思いもよらない理由で、すでに好景気に沸いている業界もある。どんな仕事の給料が爆上げしているのか? 働く人々の暮らしぶりに迫った!
◆一杯3500円と強気な価格設定が話題に
「一杯1000円以上は高いか? 安いか?」――。
外国人訪日客にも大人気のラーメンを巡りネットを中心に価格論争が勃発しているが、一杯3500円と強気な価格設定のラーメンが話題を呼んでいるのが東京・茅場町の「麺や 紀茂登(きもと)」だ。
◆一杯3500円でも利益はほとんど出ない
「値段が高くても、富裕層のお客さまはおいしいものにはお金を払ってくださいます」
同店でマネジメントを担当する石原昌欣さん(45歳)は、30年間続いたデフレマインドに終止符を打つかのように、贅を尽くした一品を饗した。
「ミシュラン掲載の一流和食店・紀茂登がプロデュースしたウチのラーメンは、あわびや白甘鯛など“食材の4番バッター”だけを厳選して出汁を引いてます。それだけに、原材料費が嵩み、3500円の値段でも利益はほとんど出ない。ただ、今は先行投資をしてブランディングに注力する段階。富裕層のグルメ情報ネットワークはウチの強みでもあるので、強気の価格設定をやめるつもりはありません」
◆若手社員でも月給は全員40万円以上!
利益は出ないが、昨年8月に入社した当時、石原さんの月給は試用期間にもかかわらず40万円の高水準だった。
「重労働のイメージが強いラーメン業界は人手不足で、ここ10年弱で月給の相場が5万円は上がった。そんな中でいい人材を採るため、ウチは高い給料なんです。20代の若手社員でも月給は全員40万円を超えているほどだし、私の給料も本採用になっただけで60万円に上がりました」
半年で給料が50%アップした計算だが、価格転嫁が進めば賃金は自ずと上がるのだ。
◆石原さんのBEFORE⇒AFTER
●月給40万円
※飲食業の平均月給26万~28万円に比べて、試用期間でも高水準の給料だ
↓
支給額計60万円(50%UP!)
基本給50万円
職能給10万円
残業手当アリ
出勤日数24日
取材・文/週刊SPA!編集部