【自民党】自民党が全敗するかも?3つの衆院補選、告示まで1カ月 楽勝のはずの「保守王国」でも苦戦は必至
【自民党】自民党が全敗するかも?3つの衆院補選、告示まで1カ月 楽勝のはずの「保守王国」でも苦戦は必至
◆公募での候補者選びも進まないまま
東京都江東区長選を巡る公選法違反事件で起訴され自民を離党した柿沢未途氏(14日に東京地裁で有罪判決)の辞職に伴う東京15区補選では、自民都連が2月の総務会で候補公募の方針を決めたものの、その後具体的な動きはない。
都連所属の国会議員の一人は「良い候補者がいない。難しい」と漏らす。最近の都内の首長選では、自民が公明党や小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」と連携するケースが目立ち、都連の対応に注目が集まる。
◆事情が事情だけに広がらない「主戦論」
長崎3区は、衆院小選挙区の「10増10減」によって、次期衆院選から選挙区が新2区と新3区に分割される。新3区の支部長は、昨年10月の長崎4区補選で当選した金子容三氏が務めているが、補選への出馬予定はない。現3区で当選した議員の任期は最長でも1年半だ。
補選は、裏金事件で略式起訴され、自民を離党した谷川弥一氏(有罪が確定)の辞職に伴って実施されるが、こうした事情もあり、立憲民主党や日本維新の会が公認候補の擁立を決める中で、自民県連の動きは鈍い。
自民の梶山弘志幹事長代行は8日の記者会見で「長崎県連と調整をしている最中だ」と説明したが、与党関係者は「(10増10減で)どのみち選挙区が一つ減る」と、主戦論が広がらない地元の雰囲気を説明する。
◆「安倍派」会長も務めた故・細田博之氏の地盤で
島根1区は、自民が全国有数の強固な地盤を築いてきた地域。現在の小選挙区での選挙となった1996年以降も、故・細田博之前衆院議長が連続当選を続けてきたため、本来なら勝ちが見込めるはずの選挙区だ。ただ、細田氏が清和政策研究会(現安倍派)の会長を務めていたことで、裏金事件への批判が補選の情勢を左右する可能性が高まっている。
細田氏の死去に伴う補選で、自民が擁立する元財務官僚の新人は、立民から出馬予定の元職に比べて知名度が低い。自民の茂木敏充幹事長も、知名度向上が課題と認めた上で「一人でも多くの人に知ってもらう、直接会ってもらうという活動を、島根県連と党本部が連携して進めていく必要がある」と語る。
岸田政権が発足した21年以降、自民は衆院選や22年の参院選で勝利を重ね、23年までに実施された衆参両院の10補選でも「7勝3敗」と堅調な結果を残してきた。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を巡る問題や、閣僚の「辞任ドミノ」などがあった中でも、選挙に勝利することで政権基盤の不安定化を回避してきた形だが、「政治とカネ」が主な争点となる今回の衆院3補選は、過去の国政選挙と事情が異なる。
共同通信社の最新の世論調査では、岸田内閣の支持率は最低を更新し、20%割れも現実味を帯びる。自民の政党支持率も12年の政権復帰以降で最低にまで落ち込んだ。立民の泉健太代表は党会合で「4月の補選は、裏金政治を一掃する大きな機会だ。国民の怒りを選挙結果として実現したい」と述べるなど、自民への対決姿勢を強めている。
東京新聞 2024年3月18日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/315609
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