【社会】長崎平和祈念式典「国際政治に振り回され悲しい」「特定の国を呼ばないという判断に違和感」 被爆者らに戸惑いや失望
【社会】長崎平和祈念式典「国際政治に振り回され悲しい」「特定の国を呼ばないという判断に違和感」 被爆者らに戸惑いや失望
西日本新聞
犠牲者を追悼し平和を誓う場が、国際政治に振り回され悲しい-。イスラエルを平和祈念式典に招かなかった長崎市の対応に米欧主要国が反発し、駐日大使が出席を見送ったことについて8日、長崎の被爆者や被爆2世の間に戸惑いや失望が広がった。
「式典が原爆犠牲者の追悼の場であることを忘れてはならない」。被爆者の増川雅一さん(83)は、市内であった講演会でこの問題に言及した。式典は爆心地に建設された平和公園の平和祈念像の前で行われ、国内外から訪れた人たちが祈りをささげる。
「大切な日に無用なトラブルが起きるのを避けようと、鈴木史朗市長も悩まれたと思う」と述べ、市が抗議活動など「不測の事態」が起きるリスクがあるとの立場から招待しなかったことに理解を示した。
広島市で6日にあった式典に参加し、8日に長崎市入りした日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の田中熙巳代表委員(92)は「非人道的な侵略を行う国は招待しないという意見には賛成だ」と話す。広島市がパレスチナを、長崎市がイスラエルをそれぞれ招待せずに対応が分かれたことについて「自治体の判断は尊重されるべきだ。その上で今回のように問題になった場合は、政府が主体的に解決に乗り出してもらいたい」と注文した。
長崎を最後の被爆地に。そんな思いを胸に8日、約700人の聴衆を前に講演した長崎原爆被災者協議会会長の田中重光さん(83)は「ウクライナやガザの惨状は、79年前の長崎や広島に匹敵する」と強調した。式典には何度も参列しており、取材に「平和を願う式典への出欠の意思が、戦争と結び付けて考えられたことは非常に残念」と述べた。
9日の式典で被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げる三瀬清一朗さん(89)は「特定の国を呼ばないという(長崎市の)判断に違和感があった。国際情勢や各国の反応を熟慮すべきだった」。
続きは↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/bbdb80b0dffe399f972ce3d68a40747b599a7f35