【社会】タンクローリーに付いてる「謎のネコ耳」なんの意味がある? その正体は?
【社会】タンクローリーに付いてる「謎のネコ耳」なんの意味がある? その正体は?
大きなタンクローリーに可愛らしい猫耳のような部品がついています。
この部品の名称や役割は何でしょうか。
街中にはたくさんのタンクローリーが走っていますが、タンクの上部には猫耳のような部品がついています。
この部品に名称はあるのでしょうか。そして、どのような役割があるものなのでしょうか。
タンクローリーは様々なものを運んでいますが、その種類は大きく分けて二つの種類に分けることができます。
まずは、「非危険物タンクローリー」です。
これは、セメントなどの工業物や、牛乳やミネラルウォーターの液体食品を運んでいます。
次に、「危険物タンクローリー」です。
危険物タンクローリーには「毒」や「危」といったマークがつけられています。
「毒」がつけられているタンクローリーの中身には、アンモニアや塩酸などの毒物や劇物が積まれています。
また、「危」がつけられているタンクローリーの中身は、可燃性の高いガソリンやアルコールなどが入っています。
これらのタンクローリーに注目してみると、猫耳のような三角形の部品がタンクの上部についています。
SNSでは時々、タンクローリーの猫耳に関する投稿がされていますが、正式名称や役割についてはわからない人も多いようです。
タンクローリーに付いているネコ耳こと「側面枠」(画像提供:極東開発工業株式会社)
では、この猫耳の部品には名前があるのでしょうか。
タンクローリーメーカーの極東開発工業株式会社の担当者は次のように話します。
「この猫耳のような部分は、『側面枠』という名称です。
危険物運搬ローリーには装備が義務付けられております。
ちなみに側面枠は業界用語として、『角』という呼び方もしております。
側面枠の形状はタンクローリ製造メーカーによって若干異なっているため、全てのタンクローリーに同じものがついているわけではあrません」
実はこの側面枠は危険物タンクローリーのみに装備が義務付けられています。
食品などを運ぶ非危険物タンクローリーには装備が義務付けられていないため、街中で走るタンクローリーが何を運んでいるのか、ざっくりと見分けられるようです。
タンクローリー車になぜ? 猫耳ついているの?
では、なぜ危険物運搬タンクローリーには側面枠の装備が義務付けられているのでしょうか。
前出の担当者は次のように話します。
「側面枠の役割は、万一車両が横転事故を起こした際に、車両の転覆による内容物の漏れ出しを防ぐものとなります。
タンク形状が丸いため、側面枠未装備の場合、横転から転覆に至り、上部の注入口より内容物が漏れ出すことで、火災・爆発等の二次災害となる危険があります」
危険物が入っているタンクローリーが転覆し、中身が漏れてしまうと大きな事故に繋がります。