【社会】最低賃金、政府目標「1500円」に中小企業が警戒感…「価格転嫁も進まない中で負担重い」

【社会】最低賃金、政府目標「1500円」に中小企業が警戒感…「価格転嫁も進まない中で負担重い」

政府の目標が1500円ということは、労働者にとっては喜ばしいことかもしれませんが、企業側にとっては苦しい現実が待っているかもしれません

1 どどん ★ :2024/07/13(土) 13:56:17.31 ID:VWdVUPrj9

 最低賃金(時給)を巡る議論の本格化に伴い、中小企業がその行方を注視している。昨年、最低賃金は初めて全国平均で1000円を超え、政府は早期の1500円達成に意欲を見せる。ただ、大手企業に比べて賃上げ余力の乏しい中小には負担が重く、警戒感を強めている。(石黒慎祐)

 「価格転嫁も進まない中で、さらなる賃上げは厳しい。中小企業の業績を十分踏まえた最低賃金の議論をしてほしい」

 神奈川県内で住宅用ガス設備販売会社を経営する50歳代男性は、危機感を募らせる。同社の従業員数は30~50人。人数幅が大きいのは、辞める社員が多いためだ。今年、賃上げを実施したものの、少しでも給料が多い会社に移ろうとする社員も目立つという。
 同社では原材料価格の高騰もあってガス設備の仕入れ費用が上昇しているが、十分な価格転嫁はできていない。求人広告にも多額のコストがかかる。最低賃金の引き上げで、さらなる賃上げ圧力が強まることに危機感を抱く。

 2024年春闘は大手で5・58%(経団連調べ)と大幅な賃上げとなったが、日本商工会議所の調べでは、中小は3・62%にとどまった。中小の業績に直結する原材料や人件費の価格転嫁について、4割以上を転嫁できた企業は半分にとどまるという事情がある。

 最低賃金は、中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)で示された引き上げ額の目安を参考に、都道府県の審議会で議論され、実際の引き上げ額が決まる。昨年は地方の審議会で異変が起き、24県で中央の目安を上回った。
 地方ほど人手不足が深刻で、引き上げ機運が高まった結果だが、「隣県を意識し、『全国最低になりたくない』という、非合理的な意識が過熱したこともある」(経済団体幹部)との見方が出ている。

 こうした状況に日本商工会議所の小林健会頭は「賃上げ競争みたいになっているが、最低賃金は罰則がある法律だ。(中小企業の中には)無理しているところもあるのではないか」と指摘する。

 中央審議会は、7月末をめどに目安を決定する見通し。参加者の一人は「引き上げる理由は多い。あとは労使が納得する水準の探り合いだ」と話す。政府は6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で「30年代半ばまでに1500円を目指すとした目標について、より早く達成できるよう取り組む」と明記した。中小がこうした賃上げペースについていくためには、好業績の大手企業が、取引先の中小の求める価格転嫁に応じることが求められる。

読売新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/bcf16ebc17c864764176fbf3c4fcba93a94ada86

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