【国際】イタリア製皮革製品を「中国製」価格で供給する高級ブランドの下請け業者
【国際】イタリア製皮革製品を「中国製」価格で供給する高級ブランドの下請け業者
2024.06.29 17:00 FORBES
https://forbesjapan.com/articles/detail/72065
イタリア・ミラノ郊外を拠点とする中国資本の下請け業者2社が、労働者を搾取していたとの調査結果を受け、ミラノ裁判所は、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)傘下ブランドのクリスチャン・ディオールを1年間、司法管理下に置くとした。これは、ジョルジオ・アルマーニがサプライヤーの監督を「非難に値するほど怠った」とする4月に下された同様の判決に続くものであると、ロイターは報じている。
ディオールは、刑事上の罪には問われなかったものの、「実際の労働条件や下請け会社の技術的能力を調べる適切な判断」を怠ったとの過失が認められた。
裁判所の調査はまた、このような非倫理的な生産慣習がイタリア全土で組織的に行われており、同国では数千もの小規模な外国資本の製造業者が、誇らしく「イタリア製」を謳いながら「中国製」の価格で製造された商品を高級ブランドに供給していると主張する。
高級ブランドがより高い利益を生み出そうとする中で、「これは単一の製品ロットに関係する散発的なものではなく、製造の方式に統合され、広く用いられているものだ」と文書には記されている。
イタリアの法律では、製造を委託する企業にはサプライヤーを適切に監督することを義務付けていることから、他の数十にのぼるファッションブランドのサプライチェーンも調査中であると、ロイターは報じている。
(中略)
人より利益を優先
34ページにわたる判決書類によると、イタリア警察は3月から4月にかけて、ディオールの皮革製品の製造を請け負うペレテリア・エリザベッタ・ヤン有限会社とダヴィデ・アルベルタリオ・ミラノ有限会社の2社を査察したという。これらの調査で、次のようなことがわかった。
・1日24時間の労働力を確保するため、工場で寝ることを余儀なくされた労働者がいた
・電力消費量のデータマッピングは「休日を含めた昼夜にわたる間断ない生産サイクル」を示していた
・労働者がより迅速に作業できるようにするため、製造設備の安全装置が強制的に取り外されていた
・多くの労働者はイタリアに不法入国しており、正規の契約を結んでいなかった
このような非倫理的な行為によって、ある製造業者は「イタリア製」のディオール・ブランドのハンドバッグ(ディオールの製品コード「PO212YKY」)を53ユーロ(約9000円)でディオールに供給し、ディオールはそれを48倍もの2700ユーロ(約46万5000円)という価格で販売していた。
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