【国際】キャッシュレスが浸透した中国、小学校では現金の使い方を教える授業

【国際】キャッシュレスが浸透した中国、小学校では現金の使い方を教える授業

キャッシュレスが主流になっている中、現金の使い方を教える授業は貴重ですね。子供たちには現金もしっかり管理し、お金の大切さを学んでほしいです。

中国中部にある湖北省武漢市のある小学校では5月28日1年生の算数の教師が「人民元を知る」という授業をしました。教師は、「みなさん、考えてください。もし3元6角(3.6元、約77円)の商品を買う場合、現金を使うならどのように支払えばよいでしょうか」と質問しました。するとある生徒は、「まず3元を1枚、それから6角を1枚渡します」と答えました。この生徒は、人民元の紙幣に3元や6角という額面のものがないことを知らなかったのです。クラス全体の40人の生徒はほとんどが、100元(約2100円)や50元(約1050円)の紙幣を見たことはありますが、10元(約210円)や20元(約420円)の紙幣を知る生徒は半数ほどで、1元の紙幣を見たことのない生徒はさらに多くいました。

中国では2010年前後からモバイル決済が急速に普及しました。中国人民銀行の統計によると、2023年末時点で、中国でのモバイル決済の普及率は86%に達していました。現在の小学1年生の生徒の多くは2016年から2017年にかけて生まれたので、生活の中で現金を見ることはほとんどありません。

武漢市武昌区に住む劉姗さんには、小学1年生の息子がいます。劉さんはしばらく前に、息子に「20元札を2枚持っている場合、店でどうやって30元の品物を買うのか」と尋ねました。息子は「まず20元札1枚を渡して、もう1枚の20元札は半分に裂く。そうしたら合わせて30元になる」と答えました。劉さんはその答えに驚き、自分の息子は現金やその使い方を知らないだけでなく、「両替」や「おつり」という概念も理解していないことに気づきました。

それだけでなく、子どもらは「お金はどうやって来るのか」についても具体的な認識が欠けています。李薇さんの娘は小学校に入学する直前に、容器を開けるまでどの商品なのか分からないカプセルトイに夢中になり、「まとめて100個買ってほしい」と李さんに言いました。李さんは「100個もまとめて買うわけにはいきません。そんなことをしたら、お母さんはお金を全部使い切ってしまいます」と言いました。すると娘は「お金を使い切ることなんかないよ。お金は携帯電話の中にあるでしょ。スキャンすればまた出てくる」と、不思議そうな顔をしました。

武漢市内にある中南財経政法大学金融学院の胡宏兵副院長はこのような状況について、時代の発展に伴い子供が現金に触れる機会が少なくなり、現金を知らないという現象は重視した方がよいとの考えを示し、「人民元(の現金)はわが国の法定通貨であり、依然として最も基礎的な支払い手段だ。子供らはやはり、『人民元を知る』という授業で、しっかりと学ばねばならない」と強調しました。(提供/CRI)

湖北省武漢市のある小学校では5月28日、1年生の算数の教師が「人民元を知る」という授業をしました。

(出典 news.nicovideo.jp)

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