【社会】「漁民に見つからないようにしないと!」密漁した海産物をSNSにアップする中国人たち。“密漁ツアー”の募集も
【社会】「漁民に見つからないようにしないと!」密漁した海産物をSNSにアップする中国人たち。“密漁ツアー”の募集も
伊勢海老にアワビ、天然記念物のヤドカリまで――。今、日本各地の海では、中国人による密漁・乱獲が止まらない。行政や漁業関係者が頭を悩ませるなか、さらにその方向性が「進化」しているという。最新の手口と流通ルートを追った。
◆SNSで密漁の情報交換、はてはツアー募集の投稿も
密漁された魚介類の用途はさまざまだ。SNSでは承認欲求を満たすための投稿から、自身の店の宣伝などに利用されている(日本語訳は編集部による)。
某在日中国人インフルエンサーは伊勢海老を釣り上げる一部始終を叙情的な音楽とともにアップ。ちなみに「千葉県漁業調整規則」において伊勢海老は毎年6月1日〜7月31日は禁漁とされているため、この期間に千葉県で採取されたものは全て違法になる。
伊豆で伊勢海老を採ったとほのめかす投稿者は、「良いスポットを見つけたけど、漁民に見つからないようにしないと!」と書いていた。
◆「いいね」が続々のSNSには採取地も
ほか、福岡県志賀島のアワビ、静岡県下田市恵比須島のウニなど漁業権が設定されている海域で採ったとみられる高級魚介類の写真に多くの「いいね」がついている。
投稿を通じた情報交換も盛んで、浦安市内の立ち入り禁止エリアでカニを採る投稿のコメント欄では「浦安墓地公園のどこ?」「何時ごろに行けばカニ採れる?」「警察にバレない?」などの言葉が並んでいる。この投稿主は30匹のカニを採ったと語っている。
「浦安日之出で潮干狩り」という投稿では、牡蠣やマテ貝の写真とともに、「土曜日に行ったら見張りの人間がいて、フェンスを越えて侵入しないよう言われた。見張りの人間がいない場所から中に入れば問題ない」と“アドバイス”をする光景も……。
なお、こうした密漁アカウントは突発的に「密漁ツアー」を呼びかけコメント欄で参加者を募っている。競争率が高く、記者も試しに参加申請のコメントを書き込んだが惜しくも(?)メンバーに入ることができなかった。
◆SNSで「通信販売」!中国への転売も
一方、中国人の間でも注意喚起はされている様子だ。「千葉で潮干狩り、大量収穫」という投稿では、釣り用クーラーボックスに大量のサザエやウニが入っていることが確認できる。
投稿者は漁業権が設定されている富津海岸で採ったことを明らかにしているが、コメント欄には「捕まったら強制送還になるよ」「サザエって採ったらダメだよね、警察に見つからなくてよかったね」などの声が。
また、直接売買を行う者も少なくない。「東京都内に配送可能、荒川上流で釣ったフナ」と題する投稿では、フナを在日中国人向けに500gあたり1000円で販売している。マテ貝を1kg1500円で販売する者も。
こうした販売には、本来「魚介類販売業許可」が必要なはずであるが……。
また、ナマコを乾燥させて中国に転売しているとおぼしきアカウントも。こうした投稿からは一様に、自分に限っては捕まらないという浅慮さが伝わってくるようだ。
取材・文・撮影/週刊SPA!編集部
※5月14日発売の週刊SPA!特集「[中国人密漁3.0]の実態」より