自覚なく周囲を不快にさせる「スメハラ」で仕事の意欲低下「困っている人は声を上げるべきで、会社の対策も重要」

自覚なく周囲を不快にさせる「スメハラ」で仕事の意欲低下「困っている人は声を上げるべきで、会社の対策も重要」

蒸し暑くなり、汗をかきやすい季節になってきた。自分の体の臭いを気にする人は多いのではないだろうか。職場では意図せず、周囲を不快にさせる嫌がらせ「スメルハラスメント」(スメハラ)になる可能性があるので注意が必要だ。

◇チームワークが低下することも

 <スメハラがひどい人がいて頭がクラクラする。社長には「ガマンしてマスクしろ」と言われた>

 <身だしなみは注意できるが、口臭や体臭は何も言えない>

 X(ツイッター)には職場での臭いに悩む投稿が絶えない。

 スメハラの原因は体臭や口臭のほか、香水、柔軟剤、ペットやたばこの臭いなどさまざまだ。加害者の多くは悪意や自覚もなく、パワハラやセクハラのように法律の規制はない。

 企業の相談を受けている社会保険労務士の蓑田真吾さん(39)は「スメハラはチームワークの乱れや仕事の意欲低下に加え、離職をも招きかねない。困っている人は声を上げるべきで、会社の対策も重要です」と指摘する。

 蓑田さんは企業の取り組みとして、ハラスメントのガイドライン作成やアンケートの実施、相談窓口の開設を挙げる。席替えや換気、空気清浄機の設置など、不快の原因となる臭いを防ぐことを勧める。

 臭いは感じ方に個人差があることもあり、会社側が従業員に伝える際は注意が必要だ。当人を傷付けないように、周囲に誰もいない時に慎重な言葉遣いを心掛けることが大事だ。

続きを見る