【観光公害】 春の京都に外国人観光客があふれ、地元民うんざり「もう我慢の限界」「ここはテーマパークじゃない」の声

【観光公害】 春の京都に外国人観光客があふれ、地元民うんざり「もう我慢の限界」「ここはテーマパークじゃない」の声

春の観光シーズンを迎えた京都市が訪日外国人観光客であふれ、大混雑している。これまでの対策は十分な効果を上げられず、市民の我慢も限界に達しようとしている。

ホームから烏丸口の中央改札へ向かう通路は大勢の訪日客でいっぱい。改札を出ればバスやタクシー乗り場、切符売り場に訪日客の長い列ができている。京都市の桜が満開になった4月7日の日曜日、下京区のJR京都駅は大混雑が続いた。

清水寺や祇園など訪日客に人気の東山方面へ向かうバス乗り場は、行列が乗り場を越えて地下街の入り口付近まで続く。最後尾では案内板を持つ係員が列の整理に汗だくだが、バスが到着しても積み残しが出て、列がなかなか動かない。

清掃員の男性に聞くと、コロナ禍が一段落して訪日客数が戻ってから、朝になると大量のごみが捨てられていることが珍しくないという。

「市民の我慢も限界がある。役所にきちんと取り締まってもらわないとどうしようもない」

と不満を口にする。

市は渋滞対策のため、自家用車での観光自粛を呼び掛けているが、五条坂を歩くと他の都道府県ナンバーの車に多数出くわした。大阪や滋賀、奈良など近くの府県ナンバーが多いが、練馬、品川、熊本、浜松ナンバーなど遠くから来た車も。

熊本ナンバーの乗用車に乗った大学生のカップルは渋滞でイライラが募ったのか、

「京都はバスに乗れないと聞いたので、車で来た。何が悪いの」

と切れたような口ぶりで答えた。

松井孝治市長は3月末の記者会見で部局を横断して観光課題の解決に当たる新組織設置の考えを明らかにした。しかし、観光公害は小手先の対応ではどうしようもない状態に達している。

「観光客数に上限を設ける」

など抜本的な対策を検討する時期に来ているのかもしれない。

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