エンタメ化する都知事選に54人が立候補「東京ヤバイね」「政権放送だけで10時間」「東京都民であることが恥ずかしい…」

エンタメ化する都知事選に54人が立候補「東京ヤバイね」「政権放送だけで10時間」「東京都民であることが恥ずかしい…」

「東京都民であることが恥ずかしい……」

そうこぼすのは都内在住の30代女性だ。

東京の首長を決める東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)は、日本を左右する重大な選挙だ。

下馬評では12日にようやく出馬表明した小池百合子都知事と、立憲民主党を離党して立候補した蓮舫氏の一騎打ちの様相。そのほか、元広島県安芸高田市長の石丸伸二氏や、タレントの清水国明、元航空幕僚長の田母神俊雄氏など著名人が立候補を表明しているが、あくまで次点という扱いだ。

問題はそれ以外のいわゆる“泡沫候補”だ。現時点で40人以上が立候補を表明しており、カオスな状況となっている。

先の補選で他党への妨害行動で逮捕された『つばさの党』代表の黒川敦彦容疑者は、7日に別容疑で再逮捕され、都知事選期間中に“外の空気”を吸うことは不可能になったが、それでも立候補を予定している。

元祖“迷惑系YouTuber”のへずまりゅう氏も、早々に出馬を表明した。

「都知事選だけにとどまらず、関心の高い選挙区では選挙がエンタメ化している。供託金300万円を支払えば、基本誰でも立候補する権利がある。メディアは公平性が問われるので、そうした泡沫候補も短時間ではあるが取り上げる必要がある。爪痕を残そうと有象無象がどんどん出てきている印象だ」(全国紙社会部記者)

その最たる例が今回の都知事選。冒頭の女性は他県の友人から

「東京ヤバイね」

と散々ネタにされ、恥ずかしい思いをしているという。

テレビ局員も現状に辟易している。

立候補者は政見放送を行うことができるか、過去最多となることで、長時間の放送が義務付けられる可能性がある。

政見放送は候補者1人当たり5分30秒以内という決まりがあり、候補者の経歴を紹介する経歴放送も30秒という上限がある。NHK総合では各候補者の経歴放送と政見放送をセットで2回ずつ、経歴放送のみを1回流すことになっており、40人だと計500分、のべ8時間20分となる。

これに立候補書類は受け取ったものの、まだ事前審査を済ませていないとされる28人が全員出馬となれば、その長さは10時間を超える。NHK関係者の話。

「これまでは再放送枠に政見放送を当てはめてきたが、それでは足らない。どう編成すればいいものか、頭を悩ませている」

政見放送はNHKのほか、TOKYO MXが放送。民放ではTBSラジオが放送することになっている。まさに“貧乏くじ”だ。

続きを見る