日本のゴミ箱、なぜ消えた?
日本のゴミ箱、なぜ消えた?
5/20(月) 12:23
ゴミ箱がないのはサリン事件のせい?
先日、あるツイートが拡散されているのを目にしました。シンガポールにはゴミ箱が至る所に設置されているのに対し、日本には設置されていないことを批判するツイートに対して、
「地下鉄サリン事件を知らない人が増えてきた」とゴミ箱がない理由を述べる趣旨のツイートです。発信者は医療系インフルエンサーとして知られる医師で、この記事を書いている5月19日現在で831万回閲覧されています。
日本の駅や公共空間にゴミ箱が無いことは度々ネットで話題になり、最近はインバウンドの観光客増加で、観光地でのゴミ問題に絡めたものをよく見ます。
そういった話題になる度に「地下鉄サリン事件があったからゴミ箱が撤去された」という趣旨の説明・反論がされるのをよく見かけます。
しかし、1995年に起きた地下鉄サリン事件とゴミ箱は直接的には無関係です。パック詰めされた液状のサリンは、いずれも列車内で穴を開けられて犯行に使われています。
オウム真理教による一連のテロでゴミ箱が使われたのは、駅トイレ個室内のゴミ箱に青酸ガス発生装置が仕掛けられた新宿青酸ガス事件です。恐らく両者を混同しています。
もちろん、地下鉄サリン事件を契機にテロへの警戒感が高まり、公共空間から爆弾が設置されかねないゴミ箱が撤去された、と捉えることもできるかもしれません。
しかし、地下鉄サリン事件直後は多くの駅のゴミ箱が使用できなかったものの、しばらくしてゴミ箱は再開されています。2000年代前半には、ゴミ箱から回収した本や雑誌を売る人たちを街頭でよく見たものでした。
明らかに地下鉄サリン事件とゴミ箱が公共空間から消えた時期には隔たりがあり、これらを直接結びつける言説には違和感があります。
そこで、地下鉄サリン事件以降の公共空間におけるゴミ箱の撤去はなぜ起きたのか、各種報道や官公庁の指針といった情報から整理を行いました。
===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/e329fc10f4767b2dadad7edd4996a38d10847b71