寿司の起源は日本ではなかった!? ルーツからわかる美味しさの秘密 [7/12] [仮面ウニダー★]

寿司の起源は日本ではなかった!? ルーツからわかる美味しさの秘密 [7/12] [仮面ウニダー★]

1: @仮面ウニダー ★ 2024/07/12(金) 06:57:43.47 ID:TabR+Nzj
ー前略ー
・語源からわかること
スシは、寿司・鮨・鮓とも書くが、その語源は“すっぱし”で、鮓が最も原義に近い。つまり魚に米と塩を用いて発酵させ、旨味を引き出すとともに、保存を目的として魚から作る食品が鮓である。

また塩だけで魚の内臓を発酵させる旨味も広く好まれており、日本では塩辛が代表例となるが、これに中国では鮨の字をあてた。そして祭りなどのハレのときに、保存しておいた鮓を食べることから、やがて寿司という表記が用いられるようになった。

・発酵による旨味
つまり魚の発酵食品には、鮓と塩辛があるが、これらは兄弟関係にあたる。魚を塩だけに漬け込むと、アミノ酸発酵となるが、これに炊いた飯を混ぜ込むと、乳酸発酵が起こる。前者が塩辛で、後者が鮓となるが、塩辛は魚?の一種で、ほかにも日本では秋田のショッツルや能登半島のイシル、香川のイカナゴ?油が知られている。

鮓の原型はナレズシで、日本で最も古いのが琵琶湖のフナズシであり、吉野の鮎の釣瓶(つるべ)ズシのほか、秋田のハタハタズシや金沢のカブラズシも、この仲間に入る。

これらは米の飯による乳酸発酵を利用したものであるが、その初歩的な事例にオニギリの旨味がある。オニギリは、握ってすぐは美味しくはないが、二~三時間すると、普通のご飯とは違った旨味が出る。

これは米の飯に圧力を加えることで、内部の空気を押し出し、無酸素の状態になると、米の糖質に微生物が反応して乳酸発酵を起こすためである。すなわち魚と塩の発酵に、飯を加えるとナレズシとなり、そのままであれば塩辛や魚?となる。いずれにしても発酵によって、保存と旨味という恵みがもたらされることになる。

・寿司の起源
こうした原理は、モンスーンアジアの稲作民によって応用され、ナレズシと魚?という独特の旨味文化を、東南アジア・東アジアに広く行き渡らせた〔石毛:一九九〇〕。従って、スシの発生と伝播は、稲作技術の出現と伝来とに深く関連し、そのルーツは中国南部もしくは東南アジアに求められることになる。

河川や湖沼および水田には、豊富な淡水魚がいるが、そうした魚の利用法として、稲作地帯にナレズシや魚?が、著しい発達をみたのであり、日本のスシもその一部をなすに過ぎない。

・日本独自の発展
しかし日本では、古代以来、肉食に対する禁忌が強く、米が聖なる食べ物と見なされたところから、魚と米をおいしく食べる文化に磨きがかかった。つまりスシが、日本で独自の展開を遂げたことになる。

最も古いフナズシにみられるように、スシはもともと魚が主体であったが、日本ではナレズシにおける魚と米の関係が、やがて逆転するという形で、スシの歴史が展開をみた。いわばオニギリの延長線上に、魚と米の飯の乳酸発酵の文化が花開いたのである。

それは魚の押しズシで、サバやサケ・タイ・サンマ、その他の魚の切り身を、米の飯の上に載せ、圧力を加えることで発酵を促進した。その応用が箱ズシであり、それをほぐしたのがバラ寿司となる。

巻ズシも圧力を簀子(すのこ)で加える点では同じであるが、やがてインスタント版として、乳酸発酵の時間を短縮したことにして、米の飯に酢を加えるという技術を開発した。これによって、スシの文化は長足の進歩を遂げ、酢飯によって簡単にスシを創ることが可能となった。

その間に、さまざまな具が用いられるようになり、野菜を主体とした五目ズシのほか、油揚を用いた稲荷ズシも作られたが、圧巻は江戸前の握りズシだろう。独自の日本料理である刺身を、握った酢飯の上に添えることで、今日の世界に冠たる鮨が生まれた。

鮨は紛れもなく日本文化の所産であるが、その起源が東南アジアの稲作文化にあったことに留意すべきだろう。[後略]

学術文庫&選書メチエ編集部

全文はソースから
現代ビジネス 7/12(金) 6:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/558a7b0192b916a86c401cddcb24e207f8a68e23


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