「日本に来ないで」 ネットにあふれる外国人観光客への罵倒! “観光立国”なんて実はタテマエ? 「外国人嫌悪」という現代病 [7/7] [昆虫図鑑★]
「日本に来ないで」 ネットにあふれる外国人観光客への罵倒! “観光立国”なんて実はタテマエ? 「外国人嫌悪」という現代病 [7/7] [昆虫図鑑★]
対馬市の神社で起きた蛮行
2024年6月、長崎県対馬市の和多都美(わたづみ)神社は、韓国人観光客の「出入り禁止」を発表した。その理由は、一部の観光客が神社境内でのタバコのポイ捨てや痰(たん)や唾液の吐き捨てといった迷惑行為を行っていたためだ。この禁止措置は、そうした迷惑行為に対処するための措置として実施された。結果、このニュースはインターネット上で大きな反響を呼び、多くの人々は感情的な言葉で彼らを非難した。
そんな流れのなか、一部の有識者の間で懸念されているのが、日本国内における
「ゼノフォビア(xenophobia)」
である。ゼノフォビアとは「外国人嫌悪」「外国人恐怖症」を意味する言葉で、世界各地で使用、論議されている。
かつては、日本で“爆買い”をする中国人観光客に対して嫌悪感を隠さない人も多かった。しかし、今ではその対象が変化し、インバウンド全般に向けられるようになっているように見える。
インバウンドの増加にともない、SNS上では人種や民族を問わず外国人に対する不満や怒りの声が目立ってきた。この現象は、日本社会に潜在していたゼノフォビアが顕在化していることを示しているのかもしれない。しかし、こう書くと、インターネット上では必ず次のような反応が返ってくる。
「私たちは彼らの“行為”を非難しているだけで、外国人を嫌っているわけではない」
と。本当にそうだろうか。
表面上は「観光立国」を目指している日本だが、実際には多くの国民がインバウンドの増加に複雑な思いを抱いているのではないか。 彼らの“行為”だけを非難するにしては、いささか過剰な反応のようにも思える。 むしろ「日本に来てほしくない」という印象さえ受ける。
調査で明らかになった結果
ゼノフォビアは、実は私たちが思っている以上に身近に存在している。それは、インバウンドで外国人が急増した一部の観光地だけの問題ではない。
北九州市立大学の宮下量久氏・内田晃氏による「関門地域におけるインバウンド政策に関する調査研究:北九州空港・北九州港・下関港を事例として」(『関門地域研究』Vol.26)では、2016年に北九州・下関両市民のインバウンドに対する意識を調査している。
両市ともインバウンドに賛成している人は半数にも満たないのだ。
特に注目すべきは、観光に依存していない地域での顕著な拒否感だ。
高度経済成長期を経験した世代、バブル崩壊後の「失われた20年」を生き抜いた世代、そしてグローバル化が進んだ環境で育った若い世代。それぞれが、その時代ならではの経験を通じて、外国人に対する異なる視点を形成してきたと考えることもできる。ただ、どの世代にも、外国人に対してなんらかの理由で嫌悪感を持つ人は一定数存在するという事実だ。
これらの結果は、ゼノフォビアは特定の層に限ったものではなく、社会に深く根ざし、現実のものとなっていることを証明している。特筆すべきは、
・社会の中核を担う層(自営業、会社員)
・地域社会で重要な役割を果たす人々(主婦、公務員)
の抵抗感が強いことである。これにはさまざまな理由があるだろう。それは、彼らが日常生活のなかで文化摩擦を経験する機会が多いからかもしれないし、外国人労働者の増加によって自分たちの経済的地位が脅かされるのではないかと心配しているからかもしれない。
これほど幅広い層の人々に存在するゼノフォビアは、経済的利益を強調したり、国際化の必要性を説いたりするだけでは解決できないだろう。
全文はソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/47a289ba090742812ebeba92e5c0257ede727ac2?page=1