【弁護士会が訴え】「今、戦争の足音が聞こえる、戦争がすぐ隣まで来ている」
【弁護士会が訴え】「今、戦争の足音が聞こえる、戦争がすぐ隣まで来ている」
他国を武力で守る集団的自衛権の行使を容認する閣議決定から1日で10年。歴代政権が「憲法上許されない」と禁じ、長年堅持された憲法解釈の変更に危機感を抱き、違憲と訴える弁護士たちの街頭活動が6月で100回目を迎えた。地道な活動の根底に、どんな思いがあるのか。
「100回目はおめでたい話ではなく、100回続けなければいけない残念な状況ではあるんですけれど、何としてでもこの憲法違反の安保法制をやめさせなければいけない」
6月10日夕、東京・有楽町駅前で開かれた第二東京弁護士会(二弁)主催の「安全保障関連法を廃止し、立憲主義の回復を目指す街頭宣伝行動」。
冒頭、二弁の憲法問題検討委員会の委員長を務める福山洋子弁護士がマイクを握った。
「弁護士の使命は、基本的人権の擁護と社会正義の実現。戦争が最大の人権侵害だとするなら、戦争に一歩でも近づく動きに対し、私たち弁護士は声を上げ続けなければいけない」
街宣は日弁連、関東弁護士会連合会、東京弁護士会、第一東京弁護士会の共催。集団的自衛権行使を認める第2次安倍政権の閣議決定の2日後、2014年7月3日に初めて開き、今回で100回目となった。
この日は参加した約20人の弁護士が1人ずつマイクを握り、道行く人たちに思いを訴えた。
「弁護士としては、法律の仕組みとして憲法に書いてあることを閣議決定で変えるのは、それはいくらなんでもないだろうと。本当は憲法改正手続きを取らなければいけないのに、変え方がおかしい。そうなったらもう何でもありになって、本当に無法状態になってしまうのではないかという危機感があって始めた」
福山氏は「戦前、弁護士会も大政翼賛的で、平和を貫くことができなかった反省が身に染みてある。そうしたことに絶対ならないよう、今頑張らないといけない」と決意を語る。
そして山岸氏は語気を強める。「戦争がすぐ隣まで来ている危機感から、もうやめられないのではなく、やめる選択肢はない。今だったら十分、戦争に向かう流れを止められる」。101回目は7月8日午後5時半から有楽町駅前で行う。
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