「何をされるか」「資産価値がゼロになる」…障害者グループホームへの猛反対
「何をされるか」「資産価値がゼロになる」…障害者グループホームへの猛反対
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「何をされるかわからない」「襲われる」……。相手が障害者と見るや、こうした過剰でまちがった「不安」をぶつける人がいる。ごく普通の住宅街で起きている、不寛容の現場を歩いた。
「なぜ住民感情に配慮しないのか!」
「町内会の全員が賛成しなければ、(施設の開設は)やらせない!」
昨年10月、神奈川県横浜市金沢区の集会所で、住民のひとりがまくし立てた。町内で開設目前となっていた知的障害者向けグループホームへの猛抗議を始めたのだ。
経緯を調査した横浜市障害福祉保健部の担当者は語る。
「グループホームの運営会社は別の地域でも実績があり、大半の住民は開設に好意的でした。町内会の役員たちも、入居者と良好な関係を築きたいと考えていました。
そこで役員会に運営会社の担当者を招いたのですが、役員ではない住民が現れて、怒声を上げ始めたのです」
同市は障害福祉計画に基づき、毎年40ヵ所の障害者グループホーム開設を目指している。金沢区のグループホームもそのひとつで、設置費や運営費が補助金の対象となり、中古の一軒家を改装した建物は既に準備できていた。ところが、住民の剣幕に運営側は恐怖を感じて、間もなく開設中止を決めた。
●露骨なヘイトメッセージ
このグループホームでは、作業所などに通う知的障害者6人が、スタッフの支援を受けながら暮らす予定だった。
どんなに健康な人でも、いつかは心身に病気や障害を抱えて老いていく。愛着のある街に一生住み続けるためには、障害があっても快適に暮らせる仕組みづくりが欠かせない。そのような理屈は誰でも分かるはずだ。
だが、「障害者のグループホームが町内にできる」という話を耳にすると、途端に理性を失う人がいる。まるで犯罪者のアジトが町内にできるかのように危機感を募らせ、障害者の心を傷つけることなどお構いなしに猛抗議を始める。
’19年3月、一戸建ての家々が立ち並ぶ同市都筑区の住宅街に、30本を超える黄色い幟旗が立ち並んだ。各戸の塀に括り付けられた旗には「地域住民の安全を守れ」「子どもたちの安全を守れ」などの文字が記されていた。この地域で近く完成するグループホーム(定員10人)の入居者に向けた露骨なヘイト(差別を煽る)メッセージだった。
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2024/02/29
https://news.yahoo.co.jp/articles/6144cb14f801d9ef459e61c9689c83258cc19208